SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

口論_5 ページ26

「…妨害電波によって、あの部屋周囲での通信は使えず、部屋の中の状況は分からない。」

『…』

「LOCKを外そうにも、セキュリティシステムはパス付きで侵入されている。
しかもかなり複雑な方法でパスがかけられていて、LOCKを外すのは容易じゃない」

『…』

「ロビーの花壇の爆破で、内部の刑事は一旦事務所周辺を離れた。
その後、内部に入ることが叶わず、…どれだけ、こちらが手間取ったと思っているんだ」


その場を動かないままで、
苛立った声でAを叱責する降谷。

Aは、事実を述べられ反論できないものの、
無闇にそうした訳じゃないそれらの行動を咎められ、
彼と同じように苛立った表情を浮かべた。


『あのLOCKの仕方は、私のやり方よ。…公安ならそれくらい外せる人間がいるでしょ』

「…」

『それに、遠藤だけじゃない。あの男の口ぶりからも、
あの部屋に爆弾が仕掛けられていたのはおそらく本当よ。
…もう、調べているのかもしれないけど。
目暮警部たちと一緒に私が拘束されていた時、取り押さえるには、あぁするしか無かった。
人質を取られていて、爆弾のリモコンを手にした犯人を取り押さえるには、あぁするしか無かった。』

「…」


Aの反論に、今度は降谷が口を閉ざした。


『それに、あの刑事にも言ったけど、
あの男も、もしかしたら、他の仲間も遠隔で起爆ができる状態だったのかもしれないでしょ。
そう考えれば、妨害電波は切れない。
…通信が出来なくなるリスクを負っても、爆破させることだけは避けるべきだと考えたからよ』

「…」

『…貴方たちの邪魔をしたのなら謝るわ。
処分を受ける覚悟なら、とっくに出来てる――』

「そうじゃない！！」

『…』


急に大声で怒鳴られ、口を噤むA。


「あんなに複雑にLOCKをかける必要など、無かっただろうと言ってるんだ…!」

『…痕跡を残さないためよ。私個人の問題だけで済まないこともあるでしょ！？』

「処分を受ける覚悟が出来ていると言ったんじゃないのか！？」

『…どうせ、貴方たちはそれだけで済ませないでしょう！？』

「…っ…」

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