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かすり傷_4 ページ21

『…それとこの部屋…爆弾だけじゃない。
銃も…、他にもまだ隠しているかも』

「…分かった。後で調べさせる」


完璧ではなかったが、Aは男のボディチェックをしたはずだ。
銃を3丁も持っていれば、さすがに気づくはず。

それに、サイレンサー式の銃をAに向けていた時、
もう1丁持っていたなら、近づいてきたAをそれで撃てば良かったのだ。


Aが部屋の隅へ蹴り飛ばした銃は、そのまま、
Aたちとは離れた場所に転がったままだった。


つまり、この部屋に、
おそらく、男が倒れた横にある本棚…あるいはソファのどこかに、
隠してあったと考えられる。


Aは、今更ながら身体を蝕み始めた腹部の痛みに、
そして、足首からの痛みに顔を歪めながら、
泣きそうな顔で降谷に口を開いた。


『その頭…、…弾が、当たったの…?』

「いや。問題ない」

『…でも、血が…』

「かすり傷だ。」

『…』

「…君の方が酷いだろ」



こめかみから一筋の血を流しながら、
男を連れて部屋を出て行く降谷に、Aは複雑そうに唇を噛んだ。



「…降谷さん!その血…」

「風見か。五十嵐は?」


そして、再び戻ってきた風見が、
頭から血を流している上司に、ギョッとした顔を向けた。


「は、はい…。既に警視庁に連行済みです。それより―――」

「了解。…じゃあ、この男も、連行してくれ」

「で、でもその血…」

「問題ない。」



彼らのそんな会話を聞きながら、
男を連行して行く2人の姿を見ながら、
痛みで麻痺しかけた左足首、そして、腹部の激痛に耐えていたAが、
一ノ瀬の声に、そして、救急隊の声に安堵した表情を浮かべたのは、それから1分後のことだった。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時

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