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妨害_3 ページ14

「解除をお願いします」

『…何の?』

「その、妨害電波…ですよ」

『外からも流れてるんじゃない?…私も通信出来ないから、分からないけど。』


今にも、”五十嵐を撃ちますよ”という表情でAに詰め寄る男。


彼女のジャケットの内ポケットにその装置はある。
しかし、ロビーが爆破されたことで、
公安か、機動隊か、何らかの形で妨害電波が流されている可能性は十分にある。

外から”も”流れているのかもしれない。
これは、“嘘”、ではない。


『貴方…、ずいぶん銃の扱いに慣れてるのね』

「…」

『でも、ちょっと甘い』

「…!!」

Aはそう口にした途端、
遠藤を投げ飛ばした際、床に転がっていた写真立てのような何かを、
男の顔、いや、正確には頭上目掛けて投げつけた。


「…っ…!」

男は、とっさにそれをかわすも、額 (ひたい)に当たった衝撃で、
軽くよろめいた。


『机の下に隠れて!!』

「…ひっ…」

『さっさと隠れなさい!!!』


男が自身の体から少し離れたものの、
この状況に怯えたまますくんでいる五十嵐に、
Aが怒鳴りつけた。

そして、


ピシュ…ン


男がA目掛けて発砲したと同時に、
床を転がるようにして、男の足へと体当たりをするA。


『早く!!!』


再びよろめき、ドアに背を預ける体勢で倒れかかる男の足元で、
Aがもう一度叫んだ。
その言葉に、小さな悲鳴を上げながら、未だ後ろ手を拘束されたまま、
自らが普段使っているデスクの下へ潜り込む五十嵐。


「…くっ…」

『…っ!!』



足を撃たれている状況だ。
立つのは難しい。

倒れかかる男の足に掴みかかりながら、
その体勢を崩そうとするA。


ピシュン…!


倒れかけながら、
男は再び、足元のAへ発砲した。


『…っ』


とっさに転がりながらよけたその銃弾は、
Aの腹部、その側面に命中した。


防弾チョッキを着ている状態だ。
弾が身体を傷つけることはない。

しかし――。


6日前に刺された傷が、開いた感覚があった。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時

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