SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

悪いけど ページ2

『…そう。』


“事務所の方はどうですか！？”


インカム越しに聞こえる一ノ瀬の声に、
東堂の方は身柄を押さえたという報告に、
Aは短く返事をしただけで、通信を切った。

下手に”外”の動きを知られる訳にはいかないのだ。
目の前をうろつく人物に。


小型リモコンを左手に、右手にはナイフを持った状態の、

五十嵐の秘書、遠藤の姿があった。



(…やっぱり、こっちと繋がってたか…)



10分前。
降谷から聞き出した15時ちょうどに、
議員会館の五十嵐の事務所に踏み込んだ一課の目暮と高木。
事務所の部屋には入らず、入口で様子を伺っていたA。


川端殺 害の容疑で、遠藤を署まで連行しようとしていた矢先、
彼がナイフを取り出したのだ。


さらには――、爆弾の起爆スイッチと思われるリモコンを。


「…この部屋だけじゃない。
この議員会館には、他のフロアに複数の爆弾が仕掛けられている」

『…』

「下手な真似すれば、貴方たちだけじゃない。
この国を支える国会議員が吹き飛びますよ。…ね？五十嵐先生？」


後ろ手に結束バンドで拘束され、
部屋の壁に背をつけて座らされたAは、
少し横で、同じ体勢で拘束されている五十嵐に視線を向けた。

遠藤の問いかけに、怯えているようだ。


(…脅されてた…ってこと、かしら)


遠藤に指示される形で、自身の、
そして、目暮や高木の手を拘束した五十嵐は、
懇願するように遠藤に命乞いをしていたものの、
同じく拘束され、蹴り飛ばされるようにして床に座らされ、
今は怯えながら大人しく口を閉ざしている。


この部屋には、
五十嵐、目暮、高木、A、そして、開いていたドアの前を偶然通りかかり、現場を目撃してしまった清掃員の男が、
拘束され、床に座らされている。
不運にも突如拘束され、その男は五十嵐同様あからさまに怯えていた。

事務所のドアは施錠され、
今は遠藤が立てこもっているような状況だ。
清掃員以外は幸い目撃者はいなかったようで、
しかし、それはつまり、外部にはまだこの状況が知らされていない、ということだ。



高 「…まさか、爆弾まで――」

目 「…国会議員を人質に取った、国家テロでも始めようと言うことかね？」


目暮の横でコソッと高木が口を開いた直後、
目暮が遠藤に問いかけた。

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