Liar_2 ページ33
この3週間。
Aとは何度か顔を合わせている萩原。
もちろん、何度も言葉を交わしている訳で。
核心をついた話をすることは無かったが、
萩原が抱える気まずさは少しずつ薄れていっていた。
「だって、月島、足グセ悪ぃから」
『…どういう意味よ』
いつぞやの夜。
蹴り飛ばそうとしたことを言っているのだろうか。
からかうようなそのセリフに、反論するA。
軽口を叩く萩原とは対照的に、
それ以上口を開かず、少しだけ迷っている様子が見えた。
「じゃあ、もう、あの子らも満足しただろうし。
忙しいだろうから。念の為、こっそり帰れよ」
『…ありがと』
Aはふぅと浅いため息をついて、
米花公園を去って行った。
そして、その場を去るAを見つめながら、
彼女を自身の背に隠すようにして子どもたちの方へ向かう萩原は、
先ほど目にした、半袖のシャツから覗く彼女の白い右腕の大きめの絆創膏を思い出し、顔を歪めていた。
その下に隠れているだろう、傷跡のことを、
あの夜のことを、思い出して。
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white12(プロフ) - なーこさん» またまた嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。どうにも回りくどく書いてしまう癖があるのですが、そう言って頂けて本当に嬉しいです。由紀さんの登場はRain執筆中からの計画でした (笑) 次回作は未定ですが、今後もご愛読頂けましたら幸いです。 (2019年12月20日 16時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*会社の為、隠忍自重する夢主が時折見せる弱さや脆さに萩原さんの言葉が染みて溢れ出すのを繊細に描いていたのが読んでいてじわっときました...。そして由紀ちゃんの登場は嬉しすぎるサプライズです!(笑)また次の作品も楽しみにしてます*。 (2019年12月20日 0時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年12月12日 17時