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Cafe Rain_2 ページ23

その後、未だ残っていた作業を終え、
警視庁を後にする萩原は、眉をひそめていた。


あれから、米花町のBar Curiousは訪れていない。
Aと顔を合わせるかもしれないことを考えると、
それなりに気まずかったからだ。
1週間前に、子どもたちと米花公園に行ったのだが、
そう度々顔を合わせる訳もなく。


それ以上追いかけるようなことをするつもりも、
そんなことをした事もない萩原。

文字通り、拒絶されたという事実が、
Aのことが、少しずつ脳裏から薄れてきているような気がしていたのだが、
見透かされたように松田に問われ、そうではないことに嫌でも気付いた訳だ。


「…」


そして、萩原が足を向けたのは、
杯戸町のCafé Rain。

今朝松田から店の話を聞いたのもあるが、
単に、あの店の、 菜々が淹れるコーヒーが、萩原は好きなのだ。

Café RainではAと何度か顔を合わせているため、
同じく躊躇われる気持ちもあったのだが、
もし、彼女がいたとしても、それはそれで吹っ切れる気がした。

今朝、松田に言われたこともあり、
Aと会う可能性のある店を避けたりと、
いつまでも気にしてしまっている自分に、何やら複雑な感情が湧き上がってきたのだ。

それは、まさしく数ヶ月前のAの心情と同じだったのだが、
そんなことを知る由もない萩原。



チリン…

「あ!いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ」

振り向いたのは、カウンター奥で何やら話をしていた様子の、
菜々と由紀だ。

今は14時を回っている。
忙しい時間帯は過ぎたのだろうか。
その他には客はいない様子で、
何か作業の話でもしていたのだろうか、と萩原は一瞬不思議そうな顔をしたが、
いつものように笑みを向け、入口側の席へ座ろうとした。

しかし、
菜々と由紀の背に隠れて見えなかった人物の姿がちらりと目に入り、
ドキリ、と心拍数が上がる音を感じた。

そこにいた、Aの姿に。
どこか楽しそうに、2人と話すAの姿、に。

Cafe Rain_3→←Cafe Rain



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設定タグ:名探偵コナン , 萩原研二 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - なーこさん» またまた嬉しいコメントを頂きましてありがとうございます。どうにも回りくどく書いてしまう癖があるのですが、そう言って頂けて本当に嬉しいです。由紀さんの登場はRain執筆中からの計画でした (笑) 次回作は未定ですが、今後もご愛読頂けましたら幸いです。 (2019年12月20日 16時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*会社の為、隠忍自重する夢主が時折見せる弱さや脆さに萩原さんの言葉が染みて溢れ出すのを繊細に描いていたのが読んでいてじわっときました...。そして由紀ちゃんの登場は嬉しすぎるサプライズです!(笑)また次の作品も楽しみにしてます*。 (2019年12月20日 0時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2019年12月12日 17時

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