Liar 【名探偵コナン】 (ページ48)

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身勝手な要求_3 ページ48

提示した案は、3案。
そのうち2案はかなり極端なものだ。

説明が見づらいなどとモゴモゴ口にする北川に対応するため、
情報は最低限に非常にシンプルにしたものと、
逆にA社から与えられた情報+αの、ページ内の場所制限を考慮して最大限の情報を明記したもの。
もう1案は、A社からの情報を忠実に記載したもの、だ。

切り取れるだけ切り取った情報を、
むしろ、シンプルすぎる案を見てそのような言葉を零している北川は、
もはや難癖以外の何物でもない。

『では、これ以上情報を削り簡略化すると、
商品の内容がほとんど分からなくなってしまう恐れがありますが、
――宜しいですか？』

「え…、それは。」

『こちらは御社から頂いた情報を忠実に記載しているページ案ですが、
これでも情報が多い、とお感じでしょうか。』

「あ、…そう、ですね…えっと…」

『…ではもう一度、
御社の方で記載すべき情報を練り直して頂けませんでしょうか。
その情報が固定されない限り、
こちらで修正をしても同じことの繰り返し…、だと感じますので。』

言っていることは嫌味のようなものだが、
至って事実である現状を、
真剣に、何やら口調を強めてハッキリと口にするAに、
北川は苛立ったようにわずかに顔をしかめた。

『…御社の納期も近づいています。
出来るだけ、ご要望にお応えできるデザインを完成させるために、お願いいたします。』

そして、すっと頭を下げたAに、
アワアワと、同じく頭を下げる隣の湯川。

その姿に、北川は、今度は戸惑うような様子を見せた。

『…御社にご納得頂けるデザインを完成させたいので。』

頭を下げながら、続けてそう口にしたAに、
北川はしぶしぶと言った様子で、承諾の返事をした。