Liar 【名探偵コナン】 (ページ44)

今日:47 hit、昨日:34 hit、合計:110,761 hit

レプリカ_2 ページ44

一方、その頃。
警視庁の鑑識課には、
苦い顔をした萩原と松田の姿があった。
その後ろには、1人の女性。
捜査一課の佐藤刑事だ。

「…これ、前のやつよりかなり複雑な構造になってんな…」

「前のやつは、コードは一見複雑に見えたが、
起爆装置に接続されてない構造だってのが分かりやすかったんだがな…。
チッ…舐めた真似しやがって」…

「トラップ…までは無さそうだけどな。
起爆装置までのコードの本数と分岐が…な。」

ブツブツと呟きながら、
何本ものコードが伸びた箱のようなものに、ライトを当て、
手袋をはめた手で中身を確認している2人。
昨夜、米花町のマンション下に置かれていた小型爆弾のレプリカだ。

「同一犯だとすれば、エスカレートしてきてるかもしれない…ってことね」

「知識や技術が上がってきてんのか、敢えて面白がって少しずつ構造を複雑にするつもりなのか、
あるいは、同一犯じゃなく模倣犯なのか…まだ分からねぇけどな。
そういや佐藤、昨日の防犯カメラ――」

2人の後ろに立って、その会話を聞いていた”佐藤”と呼ばれた女は、
険しい表情を浮かべ、松田に、そして、その横に座る萩原に、
防犯カメラ映像解析の情報を話し始めた。
本来、一課の捜査状況を、一課以外の人間に口にすることは差し控えるべきなのだが、
萩原は信用されているのだろうか。

警察学校で習ったとはいえ、深い専門知識を持たない佐藤は、
レプリカを見たところでそれが偽物と気づくことは難しく、
構造を理解することも容易いことではない。

もともと同じ部署の、
“機動隊爆発物処理班”のWエースだった2人は、
今の一課にとっては頼りになる存在で、それは一課の刑事である佐藤にとっても同様だった。