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内緒話_2 ページ41

「…Mistさんのページに、うちの写真がUPされていたので…。
それと、ほんの少し、お客様が持っていたのと似た手帳が写っていた気がして…。
すみません…。あまり知られたくないですよね…」

『あ…』


小声でコソコソと話しかけてくる店員に、
その気遣いに、Aは小さく眉をひそめて苦笑いを浮かべた。
悪いことをしている訳ではないのだが、
写真1枚で知られてしまうことも多いのだと。



「変なこと聞いてすみません。
実はうちの店、あのSNSにアカウントを持っていて、
あ…、私個人もなんですけどね。」

『…?』

「私、時々Mistさんのページ見てたんです。
レストランや喫茶店の写真もそうですけど、風景や、色鉛筆で書かれたスケッチとか、
何だか…雰囲気が好きで。
それと、何よりあのwebページ自体がすっごく好きで!」

『…え?』

コソッと話していたはずの目の前の女性店員の声のトーンが上がり、
その言葉に、Aは小さく目を見開いた。


「季節ごと…かな。時々全体のデザインが変わって、それが、何だかすごく素敵で。
カーソルを動かすとふわっと桜が舞うデザインとか、
秋は紅葉がはらはら落ちるデザインとか…。
何か見てて楽しいのもあるんですけど、それ以上にあったかくてほんわかするっていうか…」

『あ、ありがとうございます…』


Mistさんですか?
という問いに答えなかったものの、
Aのその言葉は、YESを意味していた。


「それに――」

「由紀さん。ごめんね。ちょっと、レジお願いできる?」

「あ、はい!すみません!」


何やらまだ口を開こうとしていた女性店員は、
カウンター内から出てきたもう1人の店員に苦笑いを向けられ、
Aにペコリと会釈をすると、レジへと向かって行った。



(確か” 菜々さん”って呼ばれたわよね…。)


たった今、由紀さんと呼ばれていた彼女が、
以前そう呼んでいたことを思い出すA。

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設定タグ:名探偵コナン , 萩原研二 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月29日 22時

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