6.こたつ ページ6
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「…傘忘れた」
樹「え、バカなの?」
「だって朝降ってなかったじゃん、許せない」
昨日樹に言われた通り通話で忠告までしたくせに、しっかり傘を忘れてきた馬鹿はこの私。
情けなさすぎて言葉が出ない。二時間目に雨が降り出した窓の外を見て思い出した。
気温も低くなってるし、もはやこたつに入りたいレベル。
「まあ、忘れてきたものは仕方ないからね」
樹「うわ、開き直ってやんの」
「…自販機で飲み物買ってくる」
樹「俺も行く」
「樹日直でしょ、黒板消さないと怒られるよ」
樹「…くっそ、最悪。んじゃこれでりんごジュース買ってきて」
ほい、と黒い財布を手渡された。
ラッキー。ついでに私の分もこれで買っちゃお。
自販機に行くためには、一瞬屋根がないところを通らなくちゃいけない。10mくらいの距離。
まあ、このくらいなら走れば大丈夫だよね。
「うわー…結構降ってますな」
雨の音にかき消されるレベルの独り言を呟いて、10mを駆け抜ける覚悟を決めて
よし、と軽く反動をつけて走り出した。
「わっ、!」
なのになんだか今日の私はとことん馬鹿で、雨に濡れた足元はよく滑るってことすら頭になかった。
思いっきり足を滑らせて、あ、これはやばい、転ぶ。って思ったのに
北「…馬鹿、危ねえよ」
何故か北斗に支えられていて、転ぶ前に助けられていた。
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くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います!拗らせ北斗くん大好きです!続き楽しみにお待ちしてます! (11月21日 13時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫野 | 作成日時:2022年11月26日 22時