49.雲の流れ ページ49
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「ちゃんと書いたの？」
樹「いや、テキトー」
「うわ、また怒られるよ」
樹「おしるこ美味かったって言って機嫌とっといた」
よく言えば世渡り上手、な樹の言動に目を細めながら、玄関へと向かう。
生徒指導室は暖房がついてたから暖かかったけど、廊下は寒いし外はもっと寒いんだろうなって想像して、首をすくめた。
「あれ？雪やんでない？」
樹「ほんとだー、せっかく俺がヒーローになってやろうと思ったのに」
「残念、樹の傘は出番なしだね」
くそー、ってちっちゃい声で悔しがってる樹が面白くて、どんまい！って煽ったら鬼みたいな顔で威嚇された。
それ見て笑いながら玄関を出たら、
「⋯え、なんでいるの」
北「⋯よ、」
いや、よ、じゃなくて
なんでいるのかって聞いてるんですけど。
北斗はマフラーに顔を埋めながら、玄関の外側に寄りかかってしゃがみ込んでた。
樹「え、お前何してんの？ストーカー？」
傘立てから傘を持ってきた樹も、いるはずのない北斗の姿を確認して唖然。
当の本人は何食わぬ顔で「おす」とか樹に言ってるけど。
「蓮くんは？」
北「知らない。帰ったんじゃない」
樹「なぁ面白そうだからあの後の状況教えてくれよ」
「変なこと言わないで」
ニヤつきながら肩を組んだ樹の腕を下ろして、「今度な」って樹をなだめた北斗。
だからその前にさ⋯なんでいるの？って話。
北「あのさ樹、ちょっと借りてもいい？」
樹「えーー俺寂しいじゃん」
北「今度学食奢るから」
樹「おい絶対だかんな」
私が入る隙もなく、2人の中で話が進んでいく様子を呆然と見つめる。
いったい何の話？
樹「じゃあA、またな」
「え？樹帰んないの？」
北「悪いけど、この後俺に付き合って」
「⋯⋯え」
じゃーなーって気だるそうに手を振る樹、
頷く暇もなく北斗に腕を引かれて足を進めるほかない私、
そしてやっぱり何を考えているのかわからない北斗。
足を進めるたびに、雲の流れがいつもよりも早く感じた。
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続く (更新停止中)
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くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！拗らせ北斗くん大好きです！続き楽しみにお待ちしてます！ (11月21日 13時) (
レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年11月26日 22時
