ホワイトキャロル

48.フラグ ページ48

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樹「だってさ、最近の北斗どう見てもおかしいだろ」

「いやまあ⋯正直おかしいなんてもんじゃないけど」

樹「あの北斗がさ、俺の冗談に乗っかってAんとこ行ったのだって絶対おかしいんだよ」



別れてからの北斗を思い返してみると、会話だってほとんどしたことないし、名前を呼ばれたことなんてもちろんない。


だけどここ最近の北斗は、平然と話しかけてきたり、蓮くんに対して突っかかったり

やっぱり誰がどう見ても様子がおかしいよね。



「それが、恋にうつつを抜かしてるって？」

樹「はい自意識過剰ー、北斗が自分のこと好きだとでも思ってんの？自惚れんなバーカ」

「は？」



だってこの会話の流れ、完全にフラグ立てたの樹じゃない？

バーカなんて言われる筋合いないし、てか待ってあげてる女神のような私に対してなんてこと言うんだこいつ。



「別に自惚れてなんかいないし。冗談だし」

樹「願望だろお前それ」

「まあそりゃ、また好きになってくれたら嬉しいけど」

樹「それはないって、自分が1番わかってんだろ」



そうだよ。

振られた理由だってよくわかってないのに
また北斗が私のことを好きになってくれるなんてありえない、って。

それだけはちゃんとわかってる。



「願望なんだから別にいいじゃん」

樹「よし！終わったー」

「もー、話逸らした。まあいいけど。早く帰ろ」

樹「おう、でも職員室寄るから玄関で待ってて」

「はーい」



こうやって付き合ってあげる私ってなんだかんだ樹に甘いんだよなあ。
小っ恥ずかしい恋バナだって、樹にはちゃんと腹割って話せるし。

やっぱり私、樹がいないと全然ダメだな。


言ったら調子乗るから、絶対口には出さないけど。




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