45.かじかんだ手 ページ45
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北「俺とAの問題だから。目黒にどうこう言われる筋合いないよ」
目「Aちゃんが苦しんでるから言ってる」
これ以上ヒートアップしたら、収拾がつかなくなる。
けれど、2人が揉めている原因である私が口出しできる場面でもなくて。
どうすればこの場を収められるんだろうって考えながら、走って逃げちゃおうかななんて卑しい考えも頭の中を過ぎる。
北「⋯確かにきっと、苦しめたのは俺だけど。でも今は、」
樹「北斗!」
「樹、」
北斗が何かを言いかけたタイミングで、樹が息を切らしながら走ってきた。
助かった⋯けど、北斗が途中まで吐きかけた言葉が気にかかる。
樹「まじごめん!とりあえず、A借りる!」
「ちょ、樹、!」
目「どうなってんの」
樹に手を引かれ、学校の方へと走り出す。
残された北斗と蓮くんの様子を気にして振り返るけど、樹が止まることなく進むから、どうにもできない。
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「ねえ樹、どういうことなの?」
学校の玄関に着いて、やっと樹が止まってくれたから状況の説明を求める。何が起きてるのか、私の頭では理解できない。
樹「説明するから、生徒指導室一緒に来て」
「私入っちゃダメでしょ。反省文は?」
樹「書きながら話すから大丈夫」
「てか、ちょ、上履きのまま来てたの!?」
樹「マジ本気で急いでたんだよ。でもよかったわ、北斗と目黒が殴り合いとかしてなくて」
⋯あと2分遅かったら、本当にどうなってたかわかんない。
かじかんだ手を擦り合わせながら、そんな恐ろしいことを考えた。
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くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います!拗らせ北斗くん大好きです!続き楽しみにお待ちしてます! (11月21日 13時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫野 | 作成日時:2022年11月26日 22時