44.北風 ページ44
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樹『A、ごめん、まじ⋯』
だんだん、スマホの向こうから聞こえる樹の声が小さくなっていって、こんな状況で声をかけることもできない私は、
気が付けば、通話切断の赤いマークを押していた。
怒っているわけじゃない。ただ、わからないんだ。
北「もしかして俺、樹にはめられた？」
口角を上げて、乾いた笑いを浮かべる北斗になんて言葉をかければいいのか。
樹の様子からして、私が傘を使ってないと思って北斗に一緒に帰るように言ってくれてたのかな。
北「傘あんならいいや。んじゃ」
「待っ、」
目「北斗くん」
私たちの横をスっと通り過ぎて、駅の方向へ足を進めた北斗を
何故か目黒くんが呼び止めた。
多分雪は、さっきより弱まっている。
北「なに？」
目「なんで、Aちゃんの言いたいこと聞いてあげないんすか」
「蓮くん、⋯」
北「なんで目黒にそんなこと言われなきゃいけないんだろ、笑」
笑ってるのに、笑ってない。
多分、怒ってる。北斗も、蓮くんも。
北斗は傘を閉じて、水滴を落とすように軽く振った。
北「雪止んでるよ」
目「Aちゃんのことどう思ってんの」
北「だから、なんでそれをここで言わなきゃなんないのかな。あと、傘もう閉じたら？」
目「想ってるなら、ちゃんと言ってよ」
「もういいよ、蓮くん⋯」
目黒くんは北斗に反抗するように傘をぎゅっと握って、北斗から目線を外さない。
冷たくて痛い北風が、心にも、体にも、ツンと沁みた。
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くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います！拗らせ北斗くん大好きです！続き楽しみにお待ちしてます！ (11月21日 13時) (
レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫野
| 作成日時：2022年11月26日 22時
