35.初雪 ページ35
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「あ、私ちょっと急用が、」
気まずすぎていてもたってもいられなくて、逃げ出そうと荷物を持って立つ。
そしたら、なぜか、
目「送るよ、駅の方向同じだし」
「いや、でも⋯」
樹「いいじゃん、甘えとけば?」
目「うん、甘えて」
樹の助言と、目黒くんの一言で
私は目黒くんに送ってもらうことになった。
じゃあ、また学校で⋯って、樹に言ったつもりだったのに、北斗が手を上げて「また」って言ってきた。
北「⋯樹お前、何企んでんの?」
樹「ん?別に。あ、北斗スプラトゥーンやる?」
私はこんな会話も知らないまま、ざわめく胸を押さえて目黒くんと玄関を出た。
外に出ると、ふわふわと舞い降りる今年最初の雪。
目「⋯雪だ」
「初雪だね」
目「嬉しい、Aさんと一緒に見られて」
なんだかさらっと凄いことを言われた気がして、バッと目黒くんを見ると、目線は雪へと注がれていた。
⋯もう、いいか。変に避けようとしなくても。
好きって言われたわけじゃないし、そもそも目黒くんはモテるからいろんな子にこういうことを言ってるのかもしれない。
「目黒くんにそんなこと言われるなんて嬉しいよ、私は」
目「え、なんで?」
「目黒くん凄い人気者だから」
人気者、という表し方はちょっとそぐわない気もした。
人気者っていうのは、樹みたいに目立っていて友達が多い人のようなことをいうと思うから。
でも、露骨に「目黒くんモテるから」なんて言ったら、ちょっとな⋯って思って。
目「歩こうか」
「うん」
謙遜も、肯定もしない目黒くんを見て
ああ、だからこの人はモテるんだな、って思った。
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くみ(プロフ) - 更新ありがとう御座います!拗らせ北斗くん大好きです!続き楽しみにお待ちしてます! (11月21日 13時) (レス) id: ac351487ee (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 続き読みたいです。 (7月29日 16時) (レス) id: c9c9d458e3 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早く結ばれてほしい、別れた理由知りたいです。 (2023年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 541c7ab773 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:姫野 | 作成日時:2022年11月26日 22時