ホワイトキャロル

33.乾燥 ページ33

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「なんでそんなこと聞くの？」

北「んー⋯や、なんとなく、です」

「されたんだ？好きじゃない人に、告白」



急に目を逸らすもんだから、どう見ても怪しい。
別に分かりきってること、隠さなくったっていいのに。


乾燥した手を数回擦り合わせて、床についた。


北斗がモテることなんか、嫌でも耳に入ってくるし、なんなら聞きたくもないのに樹が耳に入れてくるし。



「あ、こないだの子？」

北「あー、渡り廊下の？まあ、あれもそうか」

「あれも⋯って、どんだけ告白されてんの」



私がちょっと突っ込むと、すぐにバツの悪そうな顔をする。

その表情が何を意味しているかはわからずに、私は視線をテレビ画面へと移す。


この会話は私と北斗の間でしか伝わっていなくて、こんなに人数がいる空間で

ふたりだけの、話。



北「⋯ちょっとは妬いたりすんの？」

「、なにが、」

北「俺が告白、されてんのとか」



つまり何を聞き出したいんだ、この男は。

これにYESと答えれば私は北斗が好きだと言っているようなものだし、かといってNOという答えは

きっと北斗は求めていない。



「⋯妬いてるって言ったらどうすんの」

北「俺も正直に言う」



何を？



北「樹と目黒に妬いてる」

「は？、」

北「自分で手放しといてなんだけど、すげえ妬いてるよ」

「⋯なに、それ」

北「隣にいるのは俺じゃないのか、って思ったりしてね」



なんで北斗がこんなにも饒舌なのか、この話は本当にふたりだけにしか聞こえていないのか

北斗が一切私に目線を向けない理由も、

北斗の発している言葉の意味も、


全部全部、どれだけ頭を働かせても答えは出ないみたいだ。




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