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泣き始めてすぐ、Aはそのまま苦しそうにベッドへ逆戻りしてしまった。
だからみんなに目配せして、静かに部屋から出て行ってもらった。
さっきまでは嬉しそうに笑ってたAの姿。
せっかくの誕生日やのに、多分こうなることは誰も予測してなかった。
車椅子を目一杯ベッドに近づけて、苦しそうに息をするその背中を優しく撫でる。
出会った頃はあんなに小さかった背中。
その時よりはずっと大きくなったけど、その分すごく弱って見えた。
.
A「……ハマちゃん、ごめんね」
「なにがごめんなん？」
A「みんなせっかく来てくれたのに…… 台無しに、しちゃった、」
そう言いながら、小刻みに震える背中。
入院してからは毎日会ってたのに、こんなに苦しんでたなんて全然気付かんくて、
それだけAは、いつも僕らの前で笑ってくれてた。
「僕らの方こそごめん。気付いてあげられんくて、……傷つけてしまった」
A「ううん……、私も、泣くつもりなんてなかったの、」
A「しばらく、活動出来ないことは覚悟してたし、移植も、自分で決めたから、……」
A「でもね、……日に日に、身体が思うようにいかなくなって、それで、……っ、」
「ゆっくりでええ、ゆっくりでええ……」
この足が自由に動かせるならすぐにでもAを抱きしめてやりたいぐらい、
この子が一人で抱え込んでるもんは、僕らが想像してるものを遥かに超えてた。
.
A「……でも、本当は嬉しかった、」
「嬉しかった？」
A「うん…… あんな小さな松竹座で、ガムシャラに頑張ってたWESTが、東京ドームだよ？」
A「こんな最高のプレゼント、……ほかにないぐらい、嬉しかったの、」
A「……ただ、自分が立てないかもしれないって思ったら、悔しかった、」
A「ハマちゃん…… 私、どうしたらいい……？」
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「どうもせんでいいよ」
A「え……？」
「AはAらしく、自分が苦しくないように生きたらいい」
「僕らは何があっても、絶対にAのこと見捨てないから」
「ただずっと、僕らと一緒にいてくれたらそれでいい」
.
Aがどんな姿だろうと、僕らのそばで笑っててくれたらそれだけで十分なんやから。
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ゆ - はじめまして、コメント失礼します。病気の種類は違いますが私も骨髄移植を経験した事があるので感情移入してしまい号泣してしまいました。とてもいい作品でした、ありがとうございます。 (2021年10月15日 2時) (
レス) id: c4af2e4959 (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 最後まで読ませていただきました！他の作品も同じくとても楽しく読ませていただいています！みーぽんさんも色々あって辛かったやろうに最後まで頑張ってくださりありがとうございます！ (2020年1月13日 10時) (レス) id: 715a92623b (このIDを非表示/違反報告)
のんぷー - 一気読みしてしまいました、もう感動です…泣 みーぽんさんのお話本当に好きなんですよっ！笑 うん。最高です。笑(語彙力)…色々辛い時期あったと思いますが、私はみーぽんさんの味方なんでねっ！大好きなんで！これからも受験勉強しながら応援してます！笑 (2020年1月13日 1時) (レス) id: e6b646413d (このIDを非表示/違反報告)
のら(プロフ) - 今全部読み終わりました！みーぽんさんお疲れ様です！この作品のお話も深い内容のものだし、同時期にいろいろ思い悩む事もあってみーぽんさん自身筆が止まる事もあったと思います。最後まで頑張ってくれてありがとうございました！次回作も楽しく読ませてもらいます(^^) (2020年1月12日 19時) (レス) id: b5a337c0e2 (このIDを非表示/違反報告)
しい - 涙止まらなく、鼻水垂らしながら読んでましたけどほんとにいい作品です！！！今の状況をあまり分かっていないのですが、どうか自分の気持ちに負けずに頑張ってください！！！！ (2020年1月12日 1時) (レス) id: 56b3f35bf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：望穂
| 作成日時：2020年1月5日 21時
