連続通り魔事件_2 ページ7
22時。
さっきまで、綺麗な夕焼けが広がっていたと思った空は、もうすっかり真っ暗だ。
「そろそろ帰ったら?あんまり根詰めると持たないわよ?」
白石や神山はすでに帰宅し、デスクで一人作業を続ける葵に、
茅野が声をかける。
『ありがとうございます。明日、例の被疑者、木本に会いに行く予定にしていて、事件のことを調べ直していて…。
本当に自白が強要されたものなら、きちんと明らかにしないといけませんから』
「そっか…。うん。そうね。
でも、もう遅いから、本当に帰った方が良いわよ。ほら、最近通り魔事件があるじゃない。」
『あ、米花町とS町付近で起こった連続通り魔ですよね』
そう。ここ2週間で、米花町とS町で、3名の女性が帰宅途中、フードを被った男に襲われるという事件が起こっているのだ。いずれも、ナイフで腕や肩を切りつけられたというもので、犯人の特徴が似ていることからも、連続通り魔事件と判断されている。
被害者は3名とも軽傷ではあるが、犯人はいまだ捕まっておらず、付近ではパトロールが強化されているようだ。
「帰宅途中の女性が襲われてるんだから、気をつけないと。」
『それ、茅野先生も同じですよ?本当に気をつけてくださいね…?』
そうね、と小さく笑う茅野は、S町の隣町に住んでいる。
「とりあえず、早く帰ること!お互い、気をつけましょうね、結城先生?」
そう言って、茅野は軽く手を振りながら帰って行った。
葵は、夜オフィスで一人作業するのは慣れている。
本当なら、もう少し確認するべき事案を調べてから…といったところなのだが、
確かに、ちょっと早く帰った方が良いかもしれないな、
と思い直し、必要書類をカバンに詰め込んで帰宅することにした。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時