検索窓
今日:1 hit、昨日:59 hit、合計:110,865 hit

連続通り魔事件_2 ページ7

22時。

さっきまで、綺麗な夕焼けが広がっていたと思った空は、もうすっかり真っ暗だ。


「そろそろ帰ったら?あんまり根詰めると持たないわよ?」

白石や神山はすでに帰宅し、デスクで一人作業を続ける葵に、
茅野が声をかける。

『ありがとうございます。明日、例の被疑者、木本に会いに行く予定にしていて、事件のことを調べ直していて…。
本当に自白が強要されたものなら、きちんと明らかにしないといけませんから』

「そっか…。うん。そうね。

でも、もう遅いから、本当に帰った方が良いわよ。ほら、最近通り魔事件があるじゃない。」

『あ、米花町とS町付近で起こった連続通り魔ですよね』

そう。ここ2週間で、米花町とS町で、3名の女性が帰宅途中、フードを被った男に襲われるという事件が起こっているのだ。いずれも、ナイフで腕や肩を切りつけられたというもので、犯人の特徴が似ていることからも、連続通り魔事件と判断されている。
被害者は3名とも軽傷ではあるが、犯人はいまだ捕まっておらず、付近ではパトロールが強化されているようだ。


「帰宅途中の女性が襲われてるんだから、気をつけないと。」

『それ、茅野先生も同じですよ?本当に気をつけてくださいね…?』

そうね、と小さく笑う茅野は、S町の隣町に住んでいる。

「とりあえず、早く帰ること!お互い、気をつけましょうね、結城先生?」

そう言って、茅野は軽く手を振りながら帰って行った。


葵は、夜オフィスで一人作業するのは慣れている。
本当なら、もう少し確認するべき事案を調べてから…といったところなのだが、

確かに、ちょっと早く帰った方が良いかもしれないな、

と思い直し、必要書類をカバンに詰め込んで帰宅することにした。

連続通り魔事件_3→←連続通り魔事件



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。