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連続通り魔事件 ページ6

「ただいまー」
「戻りましたー」

17時半。
アシスタントとして連れて行った神山とともに、
茅野が打ち合わせから帰ってくる。

「お疲れ様です!」
『お疲れ様です』

「あ、安田さん。もうそろそろ上がっていいわよ?美優ちゃんの迎えがあるでしょ?」

美優ちゃんは、2歳になる安田の子どもだ。
家の近所の保育園に預けており、18時には迎えに行くのが日常だ。

「ありがとうございます。では、そろそろ上がらせて頂きますね」

そう言って、カタカタPCのキーボードを鳴らしてから、
よしっ、と小さく呟いてから、安田は椅子から腰を上げた。

「あ、そう言えば、結城先生、例のクライアント、えっと、飯野先生だっけ。
どんな案件だったの?」

『あ、その件なんですが…』

茅野と葵が話し始めた横で、

「おつかれさまでした!お先ですー」と、安田がパタパタっと帰って行った。

(小動物みたいでかわいい…)

小さな癒しを振りまいてくれるのは本当に有難いな、と葵は小さく笑顔を浮かべた。



葵から詳細を聞いた茅野は、打ち合わせ中の白石同様、顔をしかめる。

「まぁ、会って話を聞いてみないと分からないわね。
しかし、どうにもねぇ…」

葵自身も同じ感想だ。
主張が変わりすぎている印象がある。

自白を強要されたにせよ、
なぜ急にそれを主張するようになったのか。

強要されたのが本当だとすれば、それはもちろん見過ごすことはできない。
被疑者の主張は守られるべきであり、刑罰も正しく課されるべきだ。

(どちらにせよ、
まぁ、情報が足りなさすぎるな。)

葵はふぅ、と息を吐いて、デスクへ向かい直した。

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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時

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