検索窓
今日:17 hit、昨日:17 hit、合計:110,822 hit

バックヤード ページ29

木本との2度目の面会を終え、留置場を出たところで、

「もしかして、コンビニの方に行きますか?」

神山は葵に話しかけた。

『あら、良く分かったわね』

と、葵はカバンからスマホを取り出しコンビニの位置を確認し始めた。


昨日も感じたが、
木本の話には、何か違和感がある、と神山は思っていた。
興奮気味に話す様子からも、自分の主張を押し付けるような印象を感じた。

自白を強要されたため、
無実を必死で訴えかけている、と思えなくもなかったが、
どうもそういう様子には思えなかったのだ。


もし木本が犯人だった場合、
なぜ、あのコンビニを選んだのか、
葵はそこが不可解だと、言っていた。わざわざ顔の知られた店を選ぶ必要はないだろう。

先ほどの面会時の葵の様子や、最後にコンビニの話を聞いていたことから、
そこで話を聞く必要があるな、と、神山自身も考えたのだ。

実際、木本が拘束された状況証拠の一つに、襲われた店員の目撃証言という大きな要素がある。
直接、話を聞かなければならないはずだ。





事件のあったコンビニに到着し、
店員に事情を話すと、ちょうど店長がいたようでバックヤードへ案内された。

弁護士だと名乗り、木本について話を聞きたいと切り出すと、

「あぁ、木本ですか…
例の強盗事件についてですよね。
木本が犯人で逮捕されてんのに、まだ聞きたいことが?」

ため息まじりにそう答える店長。

目撃証言をしており、被害にあった店側からすると、
弁護士はあまり好感が持たれる存在ではない。
それは葵達も理解していた。

バックヤード_2→←再度の面会_4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。