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再度の面会_2 ページ26

神山はふてくされた子どものように口を尖らせながらサンドイッチにかぶりついた直後、「う、美味っ…!」と感嘆の声を上げると、安田がにっこり笑った。

「そういえば、神山くんはまだ”結城先生”とは呼ばないんですね?」

ふと、安田が問う。

「まぁ…そう言われてるから、ね」

『私が、そっちの方が良いからってお願いしてるの。
さすがに、葵さん、とは…ね…?』

遮るように葵が口を挟む。
弁護士として、“先生”とつけられるのは至って普通のことだが、葵はそう呼ばれるのがどうも苦手なのだ。

茅野にも”さん”付で呼んでもらえたら、と伝えたことがあるが、
弁護士としての自覚を失わないためにも、立場上の威厳を保つためにも、そして、何より対等の立場という証明のためにも、”結城先生”と呼ぶことは変えない、と断られてしまったのである。
白石も、同じくだ。

それは確かに間違っていないし大事なことだ。
ただ、やっぱりむずかゆいというか、苦手意識は消えず、葵のお願いを了承してくれた神山と安田はそれぞれ「結城さん」「葵さん」と呼ぶのである。



『…あ、それと神山くん、今日15時からだから。よろしくね?』

「あ…はい!」

そう。
今日は再び木本に面会予定だ。

昨日警視庁で話を聞き、取り調べの様子や松田の人柄について情報を得た上で、
日にちを空けず、再度木本の話を聞くことにしていた。

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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時

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