警視庁にて ページ11
翌日の茅野法律事務所は賑やかだった。
いや、賑やかという表現はあまり適切ではないだろう。
「「「えぇーっ!!襲われた!?」」」
事情聴取に呼ばれているためどうしても仕事を抜けなければいけないこともあり、
葵が昨夜の出来事について話すと、
茅野、神山、安田は叫びに近い驚きの声を上げ、
「なっ…」
と、大きく目を見開きながら発した白石の声はいとも簡単にかき消された。
「本当に大丈夫なんですか?どこも痛くないですか?怪我、してないですか?」
安田はちょこちょこと葵の周りを動きながら、身体検査さながらにペタペタと葵の体に触ってくる。
『いや…本当に大丈夫だから、ね?』
でも…と、尚も心配そうに葵を (葵の体を)見つめる安田を、
なだめるように話しかける葵。
「結城さん、やっぱり夜に一人で帰るなんて危ないですよ!いつも事務所出るの遅いんですし!今日から俺、送っていきますから!」
神山は、驚きの叫び声を上げてから一旦心配そうに口を噤んでいたが、
葵に声高にそう提案した。
「えーっと…ありがとう、でも、本当に大丈夫。ちゃんと、気をつけるから…」
しかし、やんわりとお断りの言葉を述べる葵。
「あー、もっと早く帰るように強く言うべきだったわ…」
ため息まじりに、心配そうな表情で呟く茅野は、何事もなかったという葵の言葉に心底安心しているようだった。
『ご心配おかけしてすみません。
でも、本当に大丈夫です。一応怪我なく対応できましたし、偶然、刑事さんも来てくれて…』
でも、
やっぱり、
と、あれこれ言っている神山や安田を含め、皆に頭を下げる葵。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時