読んでてたまーに気になること

悪と善について ページ26

この前国語のリモート授業で”悪”とは何か。完全なる悪はあるのか、というテーマについて議論をしました。

もちろん話す人によって変わるし、物の見方や、その時代や舞台の価値観にもよるのですけれども、私は完全なる悪などなく、あるのは相対的な悪だけであると結論を出しました。


(いつか似たようなことを書いたような気もしますけれど、書くことがあまりにも思いつかないので…)
そもそも(概念としての)悪というのは、それに判断を下す人が信じる常識の枠内にはまっているかないか、というのが一つの定義条件になるのではないかと思います。
ただ”常識”という定義も曖昧で、常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう、とアルバート・アインシュタインも言っています。
つまり、私にとっての常識は、あの人にとっての非常識で、だからこそ私にとっての悪は、あの人にとっての善なのかもしれない、ということです。(語彙力がないのが悩ましいですね。)

　
どうしてあの悪役はあんな行動を取ったのか。

どうして私はその”悪”を許せず、悪役はそれを”善”と信じるのか。

それをきれいに描写されている小説を読むと、なるほど、そういう価値観もあるのかと、とてもすっきりします。(ただ、あまりにも難しい話になってくるとこれは夢小説なのかという問題が発生してくるので、”小説”を求めるのは程々にしたほうがいいのかも…)


やはり、読み物というのは多かれ少なかれ読み手に影響を与えますので、あまりにも偏った感情だけを見せられるのは少し苦手なのかもしれません…

　
”「どうして、こんなことをしたかって…？」

今まで何の疑問も抱かずに、僕はあいつと戦ってきた。
幾度となくボロボロになって、死にそうになって、でもだからこそどうしてこんなひどい事ができたのかと、僕はやつに聞いてみたくなったのだ。

剣を奴の首に添えて、遺言を聞いてやると言わんばかりに問うてみれば出てくるのは至極真っ当な事だった。
家族を殺され、何年も迫害され続け、果てには全ての責任をなすりつけられた。
女子供はさらわれ、男は消され…逆にどうして怒らないでいれようか。聞いていたことと違う。
今奴の言った事が真実ならば…僕はどうして王に言われたことだけを信じて、それだけが唯一の真実なのだと信じ切って、戦っていたんだ？”
　
　

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