何色の未来を描きますか？

10.ab ページ10

．





ふっかがモノクロの世界にいると分かってからはじめての雑誌の撮影がある




それぞれ衣装に着替えてメイクやヘアセットも終わり待ち時間ができた




ふっかに軽く肩を叩かれ部屋から出て行ったふっかを追いかけた





「どうした？」



深「今日の衣装って何色？」



「今日のふっかの衣装はここがいちごみたいな赤で
ここが暗闇みたいな真っ黒、この線がシルクみたいな真っ白だよ〜」




深「ありがとう！」



「ふっかにはさ、どうやって見えてるの？」



深「俺には白は白、黒は黒だけど赤は黒に近いな
ほぼ違いが分からないくらいに」




ふっかがモノクロの世界にいると知ってから調べてみたんだ



そしたら色が見えないって本当に大変で白と黒とその間にあるグレーの濃淡でしか分からないらしい






濃いか薄いかそれだけで色を判断する





俺がそんな立場だったら耐えられない



ご飯を見ても美味しそうに見えないし景色を見ても鮮やかさはないし



そんな見え方が180度変わってしまった世界で



生きているふっかは本当に凄いと思う





本当は怖いと思う



口にこそ出さないけど今まで見えていた『色』というものが無くなるだけで俺たちには想像できないくらい…




だから説明とか出来ることは俺が支える




そう心に決めた

11.fk→←9.ab

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す