帰宅部の活動内容【N.Daigo】～Season 2～ (ページ22)

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保健室の靴棚には

同じ３年生のスリッパがふたつあった。

名前なんか見る余裕もなくて、

ドアに手を触れようとした時、

「…え」

ドアのガラス越しに見える、

仕切られたカーテンの隙間。

運がいいのか悪いのか、

男子と女子がキスをしていたのが見えて、

その男子が、

西畑だった。

頭が真っ白になった。

ベットに横たわるのは

たぶん、

文化祭の委員が一緒だったっていう

あの可愛い子。

西畑の制服の袖を掴んで

キスをしている。

その瞬間、

私の存在が

ほんまにどうでもよくて、

地球上で一番いらんものやと

そう思った。

こんな

地味でなんの取得もない私より、

可愛いいあの子のほうが、

断然、

西畑とお似合いだった。

完全に

自信が消え去って、

自分ごと消えたくなった。

先生「…あら？どうかしましたか？」

「あっ…

な、なんでもないです」

保健室にいなかった先生が

戻ってきた。

今まで感じたことのないような

胸が思いっきり苦しくなって、

立っていられないくらい、

苦しかった。

はやく、

うちに帰ろう。

まだ冷静でいた自分がいて

走って教室に向かって

カバンをつかみとって

学校を出た。