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合法的でも何でもない ページ12

蒸し暑い夏の季節も少しずつ終わり始め、夕立によるじめじめした空気が肌に纏わりつく

天気予報じゃ午後からは晴れる筈なんだけどなぁと当てにならなかった予報を恨めしく思う

学校帰りだから駅乗ってこの後も家まで歩かないといけないし

はぁと溜め息をつきながら仕方なく雨の中を駆ける

何とか電車に乗り合わせ、降りた米花駅で鞄を胸の前で固く抱き締める

雨で濡れたアスファルトを駆ける準備は出来た

いざ駆け出そうと地面を蹴り出した時、頭上に傘が見えた

「こんな雨の中傘も挿さずに何してるんですか」

『...沖矢さん...?』

私が濡れないように傘を挿してくれる偶然居合わせた沖矢さん

「全く、本当に貴女は__」

そこまで言いかけるといきなり私の体を引き寄せ一つしかない傘に身を寄り添うようにして密着させた

『あの、ちょっと』

「ここからだと僕の家が近いのでそっちに行きましょう」

『いえ、大丈夫なので帰り「いいから来い」

うわぁ、赤井さん出てきた。姿は沖矢さんなのに

絶対的な有無を言わさない口調で言われたら頷くしかない

...にしてもですね

『近すぎじゃないですか?』

いくら男性と一つの傘に入ってるからってそんなに密着しなくても充分な広さはある

「少しは自分の姿を自覚した方がいい」

私の方を見ず、ただ前だけを見て答える

姿?格好の事か。でもいつも通り制服だと思うのだけど...

疑問に思いつつも今の格好を見る

『...っ!!?』

夏服の薄い生地でできた制服だから雨に濡れたため透けて中の下着が露になっていた

何という羞恥。失態を冒してしまい途端に申し訳なくなる

密着していたのはきっと隠してくれたんだろうな

赤井さんのさりげない優しさに少し心が温かくなる

「こうしていれば合法的に密着も相合い傘も出来る」

『沖矢さんカムバック』

含み笑いを浮かべて何言い出すのこの人。残念過ぎる

沖矢さんの方も危ないと思ってたけど赤井さんは中々危険だ




なんとか工藤邸に着き中へ入るよう催促される

「風呂にお湯はるからタオルで拭いとけ」

マスクを剥がし赤井さんが手渡してきたタオルに包まれた

瞳に宿すのは→←どうしようもない思い



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- 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時

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