・JN ページ49
ユンギ「『パンドラの箱』は
30分にもなる長い曲です。
ケータイやパソコンの画面上には
『この世界が嫌い?』というメッセージのついたアイコンがあって
それをクリックすると
この曲が流れる仕組みで流せ、と言われました。
この曲の随所に
人間を自死に追いやる旋律が組み込んであるんですよ。」
キム・テヒョンからの情報でミン・ユンギが
重要人物と知って僕はユンギと密談した。
ユンギは淡々と説明した。
ユンギ「でも。」
僕は譜面はさっぱりわからないのだが・・・
ユンギ「この
最後の5分の旋律は
死の旋律ではなく
人間の感情に『希望』を与える旋律になっているんだと。」
パンドラの
箱!!!
ユンギ「渡された譜面と一緒に
こんな手紙が入ってました。」
Aのきれいな字だった。
------『最後の5分。希望の旋律。あなたに良心が少しでもあるのなら、
加えてほしい。』--------
ユンギ「箱を開けて様々な苦難が出てきて・・・
最後には
希望が残る仕掛けだったんですよ。」
人間の心を『浄化』する目的の
-------リセット。
彼女が本当にやりたかったことは
これだったのかもしれない。
一度はこの世界への絶望で
この世界を消したい、そう思って作った
「死の旋律」。
でも、
Aは
やっぱり
それでも
この世界に「希望」を残したかった。
そう思いとどまって追加したのが
最後の5分・・・
だったのではないか。
----------------
刑務所のガラス窓を隔てた面会室。
僕はAの血液検査の再検査を実施した。
結果は最短3日で判明する。
祈る気持ちだった。
A「・・・ジン・・・。」
ジン「A・・」
ガラスの向こうから名前を呼ばれた。
ジン「僕は信じているよ。
君は
この世界を
いい意味で
リセットしたかったんだよね?」
彼女は答えなかった。
ジン「君がもしも死んだら・・・」
A「!」
ジン「僕も一緒に・・・」
A「バカ!!!」
彼女の目には涙が見えた。
A「バカよ・・
あなたは・・・」
322人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:life | 作成日時:2017年9月5日 14時