忘れられない人 (ページ9)

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『直樹、俺行くなんて言ってないのに…』

「まぁいいじゃん。せっかく来たんだし、この後特に予定ないでしょ？」

『別に予定なんてないけど…苦手なんだよなぁ…こういうの。』

「俺やダンス部の皆も一緒なんだから、大丈夫だって。友達増やせるいい機会だと思うよ。」

まぁね…
人見知りを発動してる場合じゃないかもな。

『そうだね。わかったよ。』

それから皆で、カラオケに行った。

結構な人数だったから、広めの部屋。

高橋先輩を中心に皆、盛り上がっている。

俺も少し歌ったり、野球部員と話したり、意外に楽しめた。

皆、感じのいい人達で、来て良かったと思った。

途中、俺の親から電話がかかってきて、買い物の用事を頼まれてしまった。

『直樹！ちょっと親から電話あって用事頼まれたから、俺もう帰るね。』

「え！？じゃ、俺も一緒に。」

『いいよ。俺に合わせることないって。俺の分まで楽しんできて。じゃ、またね！』

一応、高橋先輩にも挨拶したほうがいいかな？

相変わらず女子に囲まれている先輩。

『先輩、俺、ちょっと用事があるので、お先に失礼します。今日は楽しかったです。ありがとうございました。それじゃ。』

それだけ告げて帰ろうとすると、

「待って！入り口まで送るから。」

そう言って先輩は俺と一緒に部屋を出た。