忘れられない人 (ページ47)

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『もう5時か…そろそろ帰らなきゃ。』

「えー、もうちょっと一緒にいたいのに。」

『お前もそろそろ帰らなきゃだろ。』

「まぁね…早く自由な大人になりたいな。そうしたらずっと、一緒にいられるのに。」

早く大人になりたい…なんて…
俺は思ったことないけどな。

飛貴は…最近、更に大人っぽくなった。

まだまだ可愛い弟でいて欲しくて…
少し寂しい気持ちになる。

そんなに急いで大人になる必要ないのに。

「瑞稀くん？どうかした？」

『え…いや、何でもないよ。帰ろうか。』

帰り道…家が近づいてくると、飛貴が手を繋いできた。

それも指を絡める繋ぎ方…恋人繋ぎってやつ？

『ちょっと…恥ずかしいよ。』

「いいでしょ、これくらい。本当はキスしたいけど、我慢してるんだから。」

え…そう言われると…参ったな。

『わかったよ…もう、、』

しばらく歩いていると、家の前に着いた。

「もう着いちゃった… 残念。またデートしようね。じゃ、また。」

『うん、またね。』

手を振って、飛貴を見送った。

小さくなっていく飛貴の後ろ姿をジッと見つめる。

飛貴と俺の関係は…

これからどうなっていくんだろう？

漠然とした不安がよぎっていた。