忘れられない人 (ページ44)

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それから週末になり…練習試合の日。

今頃、ダンス部のみんなは応援に行ってるのかな？

先輩の彼女も…きっと応援に行ってるよね。

気になったけど…
先輩のことはもう忘れなきゃ。

気持ちを切り替えるんだ。

そう自分に言い聞かせる。

特に予定もないから朝寝坊して、11時頃に朝食をとる。

「全く、休みの日だからってダラダラしすぎ！もっと早く起きなさい。」

母親から呆れた様に小言を言われる。

『いいだろ、別に。休みの日くらい。』

「お母さん、買い物に行ってくる。夕方には帰るから。」

『わかった。お父さんは？』

「ゴルフ。お父さんも帰りは夕方かな。それじゃ、行ってくるわね。」

『はーい、いってらっしゃーい。』

まだ少しボーッとした頭で母親を見送る。

すると、母親が出て行くタイミングでインターフォンが鳴った。

誰だ？

母親が玄関のドアを開けて対応している。

「あら、飛貴くん、いらっしゃい。
瑞稀と約束でもしてたの？」

飛「こんにちは。いえ、いるかなぁと思って散歩の途中にちょっと寄ってみただけです。」

「そう。あの子、今頃起きて朝食なの。ダラダラしてるわよね。飛貴くんはキチンとしてて偉いわー。」

わざわざ俺に聞こえるように、嫌味ったらしくそんなことを言う母親。

はぁ…めんどくさい。

「私は買い物に出かけるんだけど、飛貴くん、良かったら上がってって。」

飛「はい、ありがとうございます。」

そんな挨拶を交わして、母親は出かけていった。