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『 …飛貴、、別に何も。』
「 ふーん、、兄貴が心配してたよ。こもりがちで元気ないって。」
『 夏休みも終わるし、来週から学校だから、憂鬱な気分になってるだけだよ。』
「 そうだね…誰でも憂鬱になる時期だよね。じゃ、俺の所為ってわけじゃないんだね?」
シレッとそんなことを言う飛貴。
『 そんな訳ないだろ! 俺がどれだけ悩んでると思ってるんだ!』
「 そんなに怒らないでよ。冗談なんだから。」
冗談?
よくもそんな冗談が言えるな!
俺はイライラしていた。
「 ところで、例の先輩とはどうなったの?」
『 先輩とのことは…もう終わったよ。 これで満足か?』
「 うん、満足だよ。瑞稀くん、いい子だね。」
クスッと笑って、俺の頭を撫でる飛貴。
そしてギュッと俺を抱きしめて、
「 ほんと言うと…不安だったんだ。瑞稀くんが、その先輩に取られるんじゃないかって… でも、良かった。」
飛貴… 震えてる?
何なんだよ、お前は…
俺を罠に掛けて脅してきたくせに…
そうやってまた、甘えるように縋ってくる。
俺は、お前の行動に振り回されてばかりだ…
「 瑞稀くん…愛してる。」
心底ホッとしたような笑顔を見せて、俺に口付けてくる。
そんな飛貴のことを…
拒むことなんて出来なくて、俺は飛貴のキスに応えてしまうんだ。
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作者名:wawa | 作成日時:2019年7月9日 9時