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先輩の気遣いが辛い…
『 そんな大した事情とかないです。だから俺のことは心配しないで下さい。 成績下がってて…恋愛にうつつを抜かしてる場合じゃないんです。』
「 え、、でも、瑞稀くん、まだ1年だし、そんなこと…」
『 うち、親が厳しくて… だから、ごめんなさい。さようなら…』
そう一方的に告げて、俺は先輩から逃げるように走り去った。
しばらく走ったところで、立ち止まり、肩で息をする。
これでいいんだ…
先輩に迷惑をかけるわけにはいかない。
俺が黙って身を引いて諦めればいいんだ。
俺、諦められるのかな…
重い足取りで家に帰ると、家の前で直樹が待っていた。
『 直樹? どうしたの?』
「 あっ、瑞稀くん、おかえり! 今日、合宿から戻ってきたから、お土産届けに来てたんだ。」
『 そっか、ありがとう。上がってく?』
「 うん、じゃ少しお邪魔しようかな。」
一人でいると余計なことを考えてしまいそうで…誰かと話していたかった。
『 合宿、どうだった? 』
「 うん、楽しかったよ。瑞稀くんはどうしてた?」
そう聞かれて、思わず固まってしまう。
「 瑞稀くん? 聞いてる?」
『 え、、あ、ごめん。勉強頑張ってたよ。あとは、特に何も…』
「 そっか。優斗先輩達はもう修学旅行から戻ってきたのかな?」
『 さぁ、、どうなんだろうね…』
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作者名:wawa | 作成日時:2019年7月9日 9時