忘れられない人 (ページ14)

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『要するに、飛貴と距離を置けってこと？そうすれば、直樹は不安じゃなくなる？』

「うん…ごめんね。おかしなこと言ってるってわかってるんだけど…」

『わかった。お前がそこまで言うなら、お前の言う通りにするよ。』

飛貴には悪いけど…
直樹がこんなに不安がるなら仕方ない。

俺は直樹のことが心配になってしまった。

「ありがとう、瑞稀くん。」

やっとホッとしたような笑顔を見せる。

そんな直樹をみて、俺もホッとした。

『何言ってるんだよ。お前の不安そうな顔なんて見たくないから。飛貴には悪いけど…お前からちゃんと伝えておいてね。』

「うん、わかってる。瑞稀くん、本当にありがとう。それじゃ、またね。」

そう言って直樹は帰っていった。

それにしても… 何がそんなに心配なんだ？

直樹自身も漠然とし過ぎてて、よくわかっていないようだったけど…

早く不安が晴れるといいけどな。

そんなことがありつつ、先輩と約束した日がやって来た。

渋谷の駅前で待ち合わせ。

少し、緊張しながら待ち合わせ場所に向かうと、先輩が先に着いて待っていた。

「あっ、瑞稀くん！こっちこっち！おはよう！」

相変わらず元気だよな…声デカイし。思わず笑ってしまう。

『先輩、おはようございます。早いですね、待たせてすみません。』

先輩を待たせてしまった…