副会長 ページ9
ダンスパーティーと言うからには、最低限のドレスコードがある。
仮装大会も行われるので、一部の生徒はネタに走っていたりもするが、それは満開祭の面白さの一つだ。
ただ、もう一つ。ミスコン、ミスターコンも行われるのである。
そしてこの2つ、参加は自薦、他薦を問わない。つまり、だ。
「会長が来るなら、私、ミスコンに絶対推薦しますよ！」
「俺も！勿論投票もします！」
…こうなる訳である。
自惚れてはいない。ただ、私の表の顔モードは最強。
恐らく、生徒会役員以外にも私をミスコンに推薦し、出場すれば投票してくれる生徒は複数名いるだろう。
そんなもん、出たくないに決まってるじゃん！？
万里とか絶対爆笑してくるわ！
『そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、ドレス、自分で用意しなきゃでしょ？』
「A、裁縫も得意なんだから作ると思ってたわ」
『さすがにね、時間もかかるし難しいかな』
私立の我が学園、生徒はお金持ちの家庭に生まれた人も多い。
だからこのイベントは成り立っているのだが、残念ながら、私はごく普通の一般家庭生まれ。買うお金も、作れる技術もない。
…待てよ？
幸くんなら作れるか…？
『いやいや、それは無し…』
とんでもなく可愛いドレスにされそうだし、それを着るのは恥ずかしいし、わざわざ作らせるのは申し訳ない。
「何が無しなの？」
『わっ…あ、響くん』
「おはよう、Aさん。来てたんだね」
『響くん、おはよう。あと、あけましておめでとう』
「うん、今年もよろしく」
どこかで打ち合わせでもしていたのか、いくつかの資料とペンを片手にひょこっと姿を現した彼。
名を、早乙女響。花咲学園生徒会副会長。
簡潔に彼を紹介すると、[イケメン]、[成績優秀]、[スポーツ万能]といったところか。
天は彼に二物も三物も与えたもうた。学園では王子様のように尊敬され、憧れられる完璧超人だ。
しかし、ここで私の本音を言おう。
私は、彼に一度もテストで負けたことがない！！
これは私の自慢であったりする。
「副会長からも説得してください！会長ってば、満開祭参加しないって言うんですよ」
「そうなの？Aさん、出ればいいのに」
『響くんまで…私、そんなガラじゃないからね』
「そうかなぁ…本当に出ないの？」
『少なくとも、今のところは』
「それは残念。お誘い、しようと思ってたんだけど」
おぉっと。それは問題発言。
周囲の役員からは、悲鳴のような歓声が沸き起こった。
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わず - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2019年9月10日 14時) (
レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています！更新応援してます！ (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています！ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます！ (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：群青 | 作成日時：2017年6月14日 9時
