【A3!】彼女の攻略、ハードモード 2nd【摂津万里】

花咲学園生徒会執行部 ページ8

『お疲れ様ー』

「Aさん！おはようございます」

「おー会長、あけおめ」

「あけおめです！」

『ん、あけましておめでとう。今年もよろしくね』


さて皆さん。時が経つのは早いもので。

…冬休みが終わってしまった！！ガッデム！
心の中で叫びつつ、私は始業式の朝から、学園の生徒会室に来ていた。


「会長、満開祭の業者打ち合わせなんですけど」

『どうなった？』

「大体は決まりました。ゲネで最終調整してくださるそうです」

『了解。ゲネは私も顔出すね』


何故3学期初日から生徒会室に集まっているか？
それは当然、仕事があるから。

花咲学園は学校行事が盛んで、クラス対抗のスポーツ大会、ブロックごとに競う体育祭、舞台や展示、模擬店と活気ある文化祭と、青春イベント目白押しなのである。

そして花学生が最も楽しみにしているのが、2月14日、バレンタインデーに行われる[満開祭]。

バレンタインデーが世間に周知されるより前から開催されているこれは、所謂ダンスパーティーだ。


「A、会計報告書できたらしいんだけどさ」

『予算オーバーしそう？』

「イルミ代がね、去年よりちょっと」


当日は夕方から体育館でダンスミュージックが流れ続け、中央で好きに踊ることができる。
グラウンドではバイキング形式で食事ができるようになっていて、校内はあちこちイルミネーションが施される、なかなかの一大イベントだ。

まあ、文化祭なんかに比べると、事前準備も当日も生徒会の仕事は少なく、楽なもんだが。

ちなみに、[満開祭で好きな人とダンスを踊って、星空の下で告白すると必ず成就する］というジンクスがあったりもする。

バレンタインデーだし、そりゃあカップル量産イベントにもなりますわな。

ただ、3年生は受験前だし、こういうイベントに興味のない生徒もいる。
よって参加は自由。

生徒会も、このイベントは2年生が中心になって準備と運営をするのが基本だ。私もアドバイスをしたり、最終チェックをする程度。


「Aさん、満開祭には参加するんですか？」

「生徒会役員は仕事で無理ですけど、3年生だったら可能ですもんね！」

「私も気になってた」

『あーそれ、悩んでるんだよね。どうしようかなぁ』

「えー、参加してくださいよ！」

「そうそう！俺、Aさんのドレス姿だけが楽しみで働いてるんですよ！？」

「うわ、下心満載」

「だって、皆そうだろ！？」


ドレス。私が参加を渋る理由は、そこにあるのだ。

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