嫌な事態 ページ36
ASIDE
『佐古？あんたから電話なんて珍しいじゃん。…何が、あった？』
[一足遅かった。食い止められなくて悪い]
『…謝んな』
[…まずいことになった]
満開祭まであと1週間と1日まで迫った、土曜日。
佐古に頼んでいた調べがある程度終わる頃だから、今日中にLIMEしようかと思って起きた朝だった。
年1であるかないかの彼女からの電話に、嫌な予感がしたのだ。
.
『…ふーん。オッケー、こっちでも対応考えるわ』
佐古から一通りの話を聞いて、思考を巡らせる。
彼女の言う通り、まずいことになった。
[私は削除申請やら通報やらしとくけど…あんまり効果は期待できない]
『そうね、もう広まり始めてるなら止めようはないわ。別の方法でいく』
[…既に考えはある訳ね。わかった。そっちが落ち着いたらでいいから、今日中に連絡して]
『はいよ』
通話を切り、簡単に身支度を整える。
今日は確かオフだって言ってた。時刻は7時半。
どこにいるかはともかく、寮の中にはいるはず。
『とりあえず、談話室かな』
巻き込む形になってしまって、彼には申し訳ないけれど。
今後について考えながら歩くうち、すぐに談話室前まで辿り着く。途中で洗面所に寄って顔を洗ったりしたが、誰かと遭遇したりはしなかった。
談話室の扉を開けると、予想していたより人が多い。
探していた人物がいたので良しとする。それに、皆にも知っておいてもらう方がいい。
「おはよう、Aちゃん」
「今日は少しゆっくりだったな」
「逆に俺達は早起きだったよーん」
「至さんも休みなのに起きてますもんね。実は仕事とかじゃないですよね？」
「信用無さすぎ、ワロ」
休みなのにこの時間に起きてる至さん、確かに激レアかもしれない。
いや待てよ、今って至さんがハマってる育成ゲーのイベ中……早起きじゃなくて、ほぼ徹夜だな？
我ながら名推理。
至さんに呆れて笑いつつ、探していた人物に声をかけようとする。
その前に、黙ってこちらを見ていた万里と目が合った。
「…何かあったのか」
『…うん』
一番起きて欲しくなかった形のこと。
MANKAIカンパニーの劇団員に、迷惑をかけること。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 852人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わず - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2019年9月10日 14時) (
レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています！更新応援してます！ (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています！ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます！ (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：群青 | 作成日時：2017年6月14日 9時
