春の気配 ページ4
ショッピングモールの最寄り駅。
約束通り、志帆さんと買い物するためにやって来た。荷物持ちは万里ね。
「A〜〜っ！！」
『志帆さ〜〜んっ！！』
開口一番そう叫んで、私達はひしっと抱きしめ合った。
「毎度毎度、よくやるよな…」
万里の姉、志帆さんはいつも元気でテンションが高い。とても楽しい人である。
「さあ、今日は買うわよ！」
『あいあいさー！』
「既に疲労感しかねえ…」
＊
現在志帆さんのお手洗い待ち。
ベンチに腰掛けた万里の隣には、大量の袋や箱。全て私と志帆さんの購入品である。
「あー、疲れた…」
『あはは、お疲れ様。志帆さんが戻ったら、お昼にしようか。遅くなったけど』
文句を言いつつ、万里は殆どの荷物を持ってくれていた。
さらに、私も持つよと言うとなるべく軽いものを選んでくれる。
これをさり気なくやるのだから、こいつは罪深い。
「寮の奴らは大丈夫なのか？」
『ん、問題なし。臣さんが11時には帰ってるはず…あ、LIME来てた』
「臣か？何だって？」
『お昼は生姜焼きにしたんだって』
美味しそうな生姜焼きと、それを頬張る咲也くんと三角くんの写真も送られてる。可愛い。保存。
「…つか、その格好」
『格好？』
「珍しいな」
あー、ワンピースだからか。私は普段、パンツスタイルばかりだし。
『志帆さんと会う時は、服装もメイクも張り切ってるよ。隣に立っても恥ずかしくないように』
「…んなの、いらねーと思うけど」
『はは、私にとっては重要なんだよ』
今日の服装は、白の膝丈ニットワンピースにグレーのタイツ、キャメルのコート、黒のヒール。
それと、万里にもらったイヤリング。
「………てる」
『へあ？』
語尾しか聞こえなかったんだけど、何だって？超間抜けな声出たぞ、私。
「に…似合っ、てる、っつったんだよ！」
『まさかのキレ気味！』
新しいキレ芸かな！？
っと、ふざけてる場合じゃない。
そっぽを向かれて顔は見えないけど、赤くなった耳が髪の間から覗いていて、これは照れてるなと分かった。
『これもレアスチル…』
「あ？」
『や、こっちの話。ありがと、万里』
最近レアスチルゲット多くないか？イベントでも始まってるのだろうか。
いや別にいいんだけど、いいんだけどね。
『(種が着々と芽吹こうとしております、いづみさん…)』
心なしか鼓動の速くなった心臓を落ち着かせるように、胸元に軽く手を当てた。
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わず - すごく面白いです！更新楽しみにしてます！ (2019年9月10日 14時) (
レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています！更新応援してます！ (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています！ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます！ (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：群青 | 作成日時：2017年6月14日 9時
