夏組による彼女のプロデュース ページ20
ASIDE
「やっぱシンプル寄りでいくか」
「うんうん、Aちゃんの美人顔を生かしたいし!」
「Aさん、お姫様みたいでした…天馬くんはどう思う?」
「あー、まあその…どれも似合ってたな」
「A、さんかくのドレスが一番素敵だった〜」
満開祭まであと二週間となった休日。
私は夏組の皆と、ショッピングモールに出かけていた。
「デザインは大体決まったね。それじゃ、材料探してくよ」
「布と、装飾用の飾りもほしいねん」
「宝石みたいなのもあると綺麗じゃないかな?」
幸くんが私のドレスを作るに当たって、最終的なデザイン決めと、材料の買い出しをするため私を引っ張り出したのだ。
ちょうど寮にいた子に声をかけたら、夏組勢揃い。仲良しかよ。
なお、ドレス制作については諦めた。
「確かに。ひとつ主役級の石があるといいかもね」
「あ、この辺石いっぱいあるよ!テンテン、どれがいいと思う?」
「は?俺が選ぶのか?」
「意見として聞いてやるっつってんの。ま、あんたじゃセンスないか」
「てっめ…A、こっち来い!」
『はーい…』
ちなみに、先程までいた店はドレスなど、華やかな服を扱う服屋さん。
既製品をいろいろ試着して、デザインのイメージを固めるのが目的とのこと。
完全に着せ替え人形だった。夏組は年齢層低いとはいえ皆顔が良いから…私ごときのドレス姿なんて見せていいものかと…。
そして現在、幸くん御用達の手芸店。
「Aに似合う石…ドレスに使うなら、石の名前とかより、色や形で選ぶのが良さそうだな…」
「てんま、さんかくの石にしよ〜」
「さんかくの石なんてそうそうねーだろ!」
天馬くんはブツブツ言いながら、私に似合う石、とやらを探してくれている。時折私の顔をじっと見つめてくるもんだから、どことなくいたたまれない。
皆といる時の天馬くんは完全にいじられキャラというか、いい意味で芸能人感が薄い。
今も、正体がバレると囲まれて面倒だから、と幸くんプロデュースで変装しているが。
『(こうして見つめられると、さすがイケメン俳優…って感じる)』
「青…違うな。かといって赤も駄目だ……あ」
おや。何か見つけたらしい。
「…うん、これだな。幸、これ使え」
「…ふーん。ポンコツ役者の癖に、なかなかやるじゃん」
天馬くんが手にした石を私に重ねて見て、幸くんに手渡す。彼も同様に石を眺めて頷いた。
『(…ん?今、何か…)』
視線を、感じたような。
852人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時