彼女のジョブ ページ17
ASIDE
金曜日というのは素晴らしい。帰れば待っているのは休日だからだ。
「今週も終わったな。センター受験組、あと1週間だ。まあ気ィ張り過ぎず乗り切れよー」
「よっしー適当すぎ〜。そこはフツー、気合い入れてけ!!とか言うとこじゃん?」
「馬鹿野郎、俺は仕事する時は省エネモードって決めてんだよ」
「ほんとブレないね」
「俺は信念を貫く男だからな。ハイ解散〜多少寄り道してもいいが面倒ごとは起こさず帰れよ〜」
我らが吉田先生、通称よっしーの相変わらずな発言に皆で笑いながら、各々席を立つ。
既に進路が確定してる子は部活を覗きに行ったり、ショッピングモールで遊んだり。
センター受験組は真っ直ぐ帰宅するか、図書室で勉強したり先生に質問に行ったり。
私含め生徒会役員は仕事があったりもするが、後輩達が引き受けてくれるし、満開祭関連で私のチェックが必要なものは昨日の時点で終わらせた。
『(夕飯当番だし、万里達連れて買い出し寄るか)』
「あ、いたいた。帰ろう、万里くん、A」
「はやく…カントクが俺を待ってる…」
何を作ろうかと考えていると、咲也くんと真澄くんが教室の扉から顔を覗かせた。
受験を控えてはいるものの、一応センターを受けるだけで大学は内定してるようなもんだし、寮での家政婦業務は通常通り行っている。
まあ、皆が普段からよく手伝ってくれるし、大した労力でもない。
「真澄は毎日毎日、同じセリフ吐きながら来るよな…」
『さすがだよね』
一途に片思いしてる子は総じて可愛い。
私は真澄くんも左京さんも両方応援したい派。
『さて、そんな真澄くんに今日は買い出しを手伝ってもらいます』
「なんで。はやく帰りたいんだけど」
『甘いね真澄くん。今日の夕食の買い出しだよ?』
「だから何」
『美味しいご飯があればいづみさんが喜ぶ。美味しいご飯には、新鮮な食材が必要でしょ』
「…その食材の買い出しを、俺が手伝えば」
『いづみさん、喜ぶだろうなぁ』
「行く。いくらでも手伝う。カントクが食べるものは俺が選ぶ…」
『さあスーパーへ行くぞ〜』
うんうん、恋する乙女…じゃない、恋する男子はやっぱり素敵だ。
後ろからちょこちょこ着いてくる真澄くんにそんなことを思いつつ、私達は教室を出たのだった。
「…A、どんどん真澄くんの扱いに慣れてきてるね」
「猛獣使いだな…」
『咲也くん、万里!行くよー!』
万里、せめてテイマーって呼んでくれない?
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わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時