エリート商社マンズ ページ16
至SIDE
本日金曜日。
ようやく午前中の仕事に目途がつき、立ち上がる。来るぞ。
「あっ、茅ヶ崎せんぱぁい。今からお昼ですか?」
「私達、これから近くのカフェでランチなんですけどぉ」
「茅ヶ崎先輩も一緒にどうかなぁって皆で言ってて〜」
ハイ来た。
慌てるな…昨日同様に今日も勝利して見せる。
「ごめんね、休憩入るついでに他部署に書類届けなきゃいけないんだ。君達を待たせるのは申し訳ないし、また今度ね」
にっこり営業スマイルと共に、さっき部長に頼まれた書類の束を見せる。一瞬たじろいだ彼女らだったが、すぐに微笑んだ。
チッ、これだけじゃ引き下がってくれないか。
「え〜全然待ちますよぉ」
「そこのカフェ、オムライスが美味しいんです!」
めんどくせ〜〜〜。
うちは一流商社だけあって、社員は身だしなみに気を遣う人ばかりだ。この子達もモテる部類だろう。
俺は、寮でジャージで過ごしてるカントクさんやAのほうが可愛いと思うけど。
何はともあれ、仕方ない。
伝家の宝刀。
「実はね、作ってもらったお弁当があって」
「「「え"っ」」」
Aの手作り弁当!!
▼たるちの ぼうぎょりょくが 100 あがった
▼こうはいめひょうの たいりょくが 50 さがった
▼こうかは ばつぐんだ!
「お、お弁当あるなら仕方ないですよね!」
「また今度、誘いますから!」
「うん、誘ってくれてありがとう」
昨日まで、俺が手作り弁当を持参したことはなかった。
Aに頼んで中身も外見も[親しい女性が作った風]の弁当にしてもらっている訳だが…。
昨日も思ったけど、効果抜群すぎて草。Aに足向けて寝らんない。
俺は意気揚々と部署を出て、ちょうど止まっていたエレベーターに乗り込んだ。
「っと、お疲れ様です」
「お疲れ様。素晴らしい逃げ足だな」
「…人のこと言えないんじゃないですか、先輩」
「ん?俺は今日、明日の会議資料を確認しながら昼食だからね」
「会議資料なんて、もう頭に入ってる癖に…」
「休憩室、一緒に座ってやろうかと思ったんだけど」
「大変失礼しました卯木先輩、是非昼食ご一緒しましょう」
先輩は俺が横でゲームしようが何しようが突っ込んでこない、貴重な存在だ。
先輩と2人で仕事の話っぽい会話をしていれば、女性社員も寄ってこない。
即ち、昼休憩は1人で外食するか、先輩と一緒に取るかに限る。
「ハハッ、茅ヶ崎は面白いな」
「そういういじりしてくんの、先輩だけですよ」
852人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わず - すごく面白いです!更新楽しみにしてます! (2019年9月10日 14時) (レス) id: 1511d926d3 (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - 更新待ってます (2018年8月30日 2時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - すごく面白くていつも楽しみにしています!更新応援してます! (2017年9月6日 8時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
おにぎり。 - とてもとても面白くて、何回もみています!ゆっくりことこととお待ちしております。 (2017年8月5日 19時) (レス) id: 392125dbe2 (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - 最高でした♪ 続き、楽しみにしてます! (2017年7月4日 23時) (レス) id: c79b5cac48 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:群青 | 作成日時:2017年6月14日 9時