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一瞬時が止まった。
目の前には呆気にとられるシルク。
…やばい。完全に避けてしまった。
「私ビビりだから!」
そう笑って誤魔化すと
ソースつきそうだった、とシルクは納得したような顔で述べた。
顔が見れなくて、自分の手に視線を送る。
下手な言い訳に顔が熱くなっていく。
シルク「そんな恥ずかしがる?(笑)」
気まずい空気を打ち破るようにふざけるシルクの声が聞こえた。
見上げると
顔真っ赤。
彼がそう笑った。
彼なりに気を遣ってくれたんだろう。
A「ッ…別に?」
強がってふざけ返す。
シルク「エリカ様かよ(笑)」
感じたであろう感情には触れることもなく、問われることもなかった。
また彼の優しさに助けられた。
申し訳なく思いつつも、全てを一緒に飲み込むかのように箸を進めた。
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A「美味しかった!」
食べ終えるとかなりの量があった。
お腹も心も満杯になり、箸をそっと置く。
シルク「また、連れてくるよ」
そう言ってカードを出すシルク。
A「え、いやいや、払うよ?」
私がそう言うと
え、なんで?とでも言いたそうな顔でこっちを向く。
いや、逆に何で?
シルク「俺が勝手に連れて来たかっただけだし。」
そう言って意地でも私から受け取らない。
私の表情から納得していないのを悟ったのか
シルク「じゃあその代わり今度デートしてよ」
そんな思いもしない言葉が飛んできた。
…でーと?
固まる私をみてシルクが吹き出す。
シルク「行きたいところが男だけじゃ入りにくいんだよ」
A「…それデート、なの?」
シルク「2人なんだから、デートなんじゃん?」
2人だとデートなのか…そういうものなのか。
中学以来そういうものとは無縁、というか避けてきたからいまいちピンとこない。
でも当たり前のように答えるシルクを見るとそれが普通なのかとも思えてくる。
シルク「Aの時間もらうからそれでチャラ!」
そう言ってご馳走してくれた。
A「分かった、ありがとうね」
お礼を言うと満足そうな笑顔が返ってきた。
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作者名:みーみ。 | 作成日時:2022年9月18日 22時