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(シルクside)
目の前に出された美味しそうなハンバーグ
お預けをくらっていた分勢いよく頬張った
そんな俺に純粋な質問が投げられる
A「何で内緒なの?」
美味すぎるハンバーグに気を取られ完全に気が抜けていたのだろう
A「え?」
…え、まて俺今なんて言った?
こんなタイミングで、しかも好きな人って…何だその告白
気付くとフォークを握りしめたまま固まるA。
完全にやらかした。
でももう後戻りはできなかった
意を決して言葉を紡ぐ
「Aが好き。」
気持ちを誤魔化したくない
何より俺の本気を知ってほしかった
"時間が欲しい"
俺が望んだ答えとは違う言葉が飛んでくる
きっと受け入れてくれる
そんな俺の浅はかな考えは打ち砕かれた
Aは今にも泣きそうな顔で唇を強く噛み締めている
嬉しい涙か応えられないからか。
どっちの意味か分からなかった
「ずっと待つよ」
今の俺にはそう言うことしか出来ない
これ以上関係が悪化しないよう明るく話題を変えた
"私も"
最初にAが小さく呟いたその言葉。
俺は聞き逃さなかったよ
ねえ、その言葉の続き期待していい?
信じてもいい?
僅かな希望にすがるような思いを託すと、キッチンへ向かうAの後ろ姿を見つめた
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A「ありがとね。」
玄関まで彼女を見送る
告白に対して?それとも気まずくならないようにしたこと?
「いや、俺の方がでしょ(笑)美味かった、ありがとう」
浮かんだ疑問を頭の中でかき消す。
きっと困ってる中考え出したセリフなんだろう
「気を付けてな」
Aが小さく返事をするとドアが閉まる
そのまま俺は座り込んだ
「あ〜〜〜…やっちまった」
あんなに悩んで、作戦とか色々練ってたくせにポロっと気持ち言っちゃうなんてダサすぎる
シラフでいられねえわこれは。
キッチンまでかけ足で向かうと度数の高い瓶を並べ、片っ端から流し込んでいく
ある程度酒が体に浸食していくと、俺の手は勝手にメンバーを呼び出していた
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作者名:みーみ。 | 作成日時:2022年9月18日 22時