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A「なにそれ。ウソだと思ってたの?(笑)」
シルク「いや、そう言うわけじゃないけど(笑)」
顔が熱いのを悟られないように会話に意識を傾ける
A「そんな手の込んだものとかは作れないよ?何ならモトキのほうが凄い気がする(笑)」
何であんな何でも出来るんだろうね?
鍋から目を離さずそう問いかけると
シルク「…手料理、俺にいつ作ってくれる?」
少し不機嫌そうな小さな声が聞こえた
急な話題に驚く
A「あ、えっといつでもいいけど…」
シルク「じゃ来週の昼ウチ来てよ」
食い気味に続けられる会話に
A「うん、分かった」
とすぐ返事をすると
いつもの笑顔に戻った。
A「ッ…何か希望ある?」
戸惑いながらも聞くと
マサイが食器の用意をしようとこっちに向かって来るのが見えた
"ハンバーグ"
マサイに気付かれないよう耳元で声を出さずに囁くと
口に人差し指を当てイタズラな笑顔を浮かべる
シルク「あ、なに?俺も持ってくよ」
ちょうどキッチンに来たマサイに平然と声をかける
リビングに戻りながらこちらを振り返ると
内緒ね?
そう口を動かした。
いつもより距離の近いシルクに心臓が音を立てる
口を近付けられた右耳が熱を帯びているのを感じた
何で内緒?
そう思ったが、その場で聞けるはずもない
…今度聞いてみよ。
未だ脈打つ鼓動を紛らわせるため
目の前の鍋へと目線を落とした。
モトキ「全然ちげえ〜!」
マサイ「しょっぱくない!」
そりゃ水入ってるからね。
シルク「な、俺たちだって真剣に作ってんだぞ!」
そういってザカオくんと肩を組む
ザカオ「いや、まじで美味い!」
美味しそうに食べてくれる4人に口元が緩む
A「良かったです(笑)」
誰かのために作るなんて母親以来だ。
少しずつだけど信頼のおける人が増えているのが嬉しい
マサイ「…A?」
マサイに呼ばれハッとする
A「あ、ごめん聞いてなかった、なに?」
マサイ「今度また作って?」
コクンと頷く
当たり前のように仲間として迎え入れてくれてるみんなにジンとした。
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作者名:みーみ。 | 作成日時:2022年9月18日 22時