約束* (ページ30)

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(シルクside)

今日のAは何となく様子がいつもと違う。

最初はダーマのおふざけが過ぎたかと思ったけど、
…いや、それもあるけど。

それだけじゃない。

最後に撮影部屋にやってきたAの表情は浮かなかった。

ダホが聞くと少し無理して笑顔を作る。

何か無理してんのかな。

と思えばマサイといちゃついてるし。

「じゃあ、撮影始めるね。」

思わず不機嫌な態度が声に表れた。

…やべ。

気持ちを切り替えて録画ボタンを押す。

撮影が始まり、いつも通り撮っていく。

準備の合間にメンバーそれぞれと話をするAの表情はさっきより穏やかだ。

全て撮り終え、どうだった？と聞くと
声を押し殺しているからか体を震わせ、クッションに顔を埋めて爆笑している。

「もう撮影終わったから声出していいよ」

その一言でこちらを向いたAは初めて見る満面の笑みを浮かべていた。

「…ッ。」

さっきまで辛そうに笑ってたのに、今は打って変わって心の底から笑っているのが分かる。

表情から目が離せなくなり思わず言葉に詰まる。

可愛い。

素直にそう思った。

A「突っ込みたいことあり過ぎて(笑)」

彼女の声が聞こえ、我に返る。

マサイ「すんげえ笑ってんじゃん(笑)初めて爆笑してんの見たわ」

モトキ「んね。(笑)でもAが凄い笑ってんの可愛い。」

A「えっ…」

モトキの言葉に吃驚してるA。

…。

Aに負けないくらい俺も感情が忙しい。

「はい、いちゃいちゃしないでくださーい。」

そう制すと

可愛い笑顔がこっちを向く。

それだけで突っ掛かりがなくなっていく。

…思っていたより俺は単純みたいだ。

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