デビューを迎えるその日まで 5

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ラウールside



『これはー？』



貴｢こっち！｣



Aちゃんと2人でキッチンの片付けを進めていた
キッチンなんて滅多に行ってなかったから場所が分からなくてもしかしたら足引っ張ってるのかもしれない



貴｢ラウちゃん？｣



『僕役に立ってる？』



こんな所が子どもっぽく見られるって分かっているのに不安になって聞いてみた


急な質問に目を真ん丸にして瞬きをしているAちゃん



貴｢役に立ってるよ？私届かない場所多いからキッチンの片付けはラウちゃん呼ぼうと思ってたよ｣



どうしたの？なんて言って僕の頭を撫でようとするけどAちゃんの身長では到底届かない



貴｢ちょ、高すぎない？｣



『頭撫でてよ』


背伸びをしながら頭を撫でようとするAちゃんが可愛くて少しだけ意地悪で僕も背伸びをした



貴｢分かってるんだけど、届かないの｣



ふらつく背伸びを繰り返し、遂にはジャンプまでして撫でようとしてくれた




『ふふっ、ごめんね揶揄いすぎたね』



貴｢は？え？背伸びしてるじゃん！！｣



僕の足元に目線を移し、さっきとは変わって怒った顔



『うわぁ、ごめんね！』



正面から思いきり抱き締めればAちゃんは埋まった




貴｢ラウちゃん、急成長したのかと思った笑｣



お腹辺りで話すから擽ったい





向｢あれ、Aどこ行ったん？｣



『えー？知らないよ？トイレじゃない？』



隠れていることをいいことに康二くんに嘘をつけば信じてキッチンを出ていった




貴｢なんで嘘ついたの笑｣




『だって、二人の時間無くなっちゃうから』




貴｢可愛いこと言ってんな〜｣




僕の腕の中のAちゃんはもっと可愛いけどね、




向｢やっぱり、居るやん！｣




貴｢見つかっちゃった〜笑｣




康二くんの声で離れるAちゃん
二人の時間が終わってしまった

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