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時間に経つに連れて、見慣れない風景が目に入る。
今はバスがトンネルを潜り始めたところだ。
「いったい、どんなところなんだろうね!」
「でも山って聞いたから山がたくさんあるんじゃない?」
先がだんだん明るくなり、トンネルを潜り終えると、窓から見えるのはたくさんの山だった。
「おぉ!!山近くで始めてみた!」
「こんなに大きいんだ!!」
窓の景色を見て、バスの中はがやがやしている。
「わぁ、A!凄いね!!」
もちろん、文実もその一人だ。
私達が住んでいるところは山は見えるけど、町の中心部で周りが商店街のため近くにはない。
私は涼が何をしているか気になったため、後ろに座っている涼をこっそり見る。
「………」
小さな寝息をたてて、静かに寝ていた。
よくよく見ると、寝顔が可愛いなと思ってしまう。
「A、笹川のこと見てるの?」
「え、ちがっ!」
隣にいた文実がにやにやしながら聞いてくる。
「笹川のこと好きなんでしょ?」
「な"…」
「バレバレだよ」
顔を精一杯赤くしている私を見て、ヒヒッと笑う文実。
な、なんでわかったの…?
「何年友達してると思ってるの?」
「いや、1年の時に会ったばっかりじゃん」
「で、でも、友達だからわかるの!!」
文実は可愛らしく言う。
まぁ、友達になったとしてもわかっちゃうか…
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作者名:咲乃ほしは | 作成日時:2019年10月21日 21時