【d!】雇われ先は吸血鬼だらけ《No.2》

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から、と氷の溶ける音がグラスを叩いた。


ある宝石を眺めながら兄さんは倉庫に篭もっている。

きらり、と輝く赤い宝石。

ついこの前、怪しげな商人から買ったもの……いや、譲られた。が正しいだろう。

『こいつ持ってると妙な夢を見るんだよ。女の子供2人の夢。

でも途中からどすぐろいものが溢れてきて汗いっぱいになって起きちまうんだ。』

そんな話を聞いて譲り受ける俺もどうかと思うが、よくわからず惹かれて貰った。

＿＿＿＿まあ、そしてその夢を見た訳だが。


「ほんまに変な夢やな」

花畑で子供二人が遊んで盗賊に襲われて、もう1人の子供が突然老婆に変身して目が覚める。

老婆に変身したところからどす黒いものに俺が埋まりそうだった。
見た目はこんなに綺麗なのに、

まあでも今こんなものは関係ないだろう。


棚にしまおうとして不意に留まる。


あれ、俺これ見たことがあるような

「兄さーん、ちょっと聞きたいことがあるねんけ……ど



兄さん！？なんでそれ持ってんの！？」

開けられた扉にいたのはオスマンだった。そいつの顔を見て思い出す。

そうだ、俺とオスマンが国に呼ばれて外交の仕事を手伝った帰りのことだ。

何故か開きっぱなしになっている扉を慌てて開ければ色んなところで横たわっているあいつら。
いくら事情を聞いても【何も覚えてない】の一点張り。


赤い石……

10年くらい前だった。


「これ、商人に譲られたんや
変な夢見る」

「……はぁ、取り敢えず俺が預かってもいい？」

「ええよ。」


パタン、と閉められた扉。
あれ、オスマンのやつ用事ってなんだったんだろう。

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