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「鬱先生」

「あ、どしたんシッマ」

スパ、と煙をふかすスーツ姿の男の隣に座って、またその男も煙を吐いた

「……」

互いが少しの沈黙を保っていた。
が、コネシマが不意につぶやく


「お前、寝とらんやろ」
「えっ、」

なんでわかったん?とまるで顔に書いてあるような間抜けな顔の鬱にコネシマは思わず笑い声を漏らした

「またなんか化粧品で隠しとんのかもしれんけど、お前少し吸いすぎやで」

タバコの吸い殻が例えでなく、山のように積み上がり小さな山ができていた

「……元気かな」


誰、とは言わずともわかる。

「知らん」

そうポツリと答えれば鬱はこれやから心の無い男は…といつもの茶番劇が2人で始まった。

互いに1本のタバコを吸い終わるとそれが合図だというように自室に戻る。

鬱はコネシマにも言われる程自分は疲れが出てたんかな、と目頭を抑えた。
じんわりと流てしまう涙に自分で呆れる。
こな感情的になってしまってはあかん。

「みんな、頑張っとるんやから。俺も頑張らんと。」

クズだクズだと周りから言われようが侍女1人を守れないとなっては男、鬱の名が廃る。

彼はそう自分に言い聞かせるが、疲労感は全く消えてくれない。

『鬱様!私口紅のことほめられたんです!』

彼女の声が頭の中を駆けた。
あ、そういえば俺彼女に先生って呼ばれたことないな

「目標、彼女に鬱先生、大好きですって言ってもらうこと」

タバコの煙を吐くように、自分の想いを口にする




「わかっとる。まずはゲデヒトニスの経歴をもっぺん洗い直すんや。
あいつは記憶に関してのスペシャリストや

何も信じられへん、つまりあいつの好きな物、利害、それを踏まえた上で考え直すんや……


エミさんに連絡取るか」


テレパシーで確認をとれば彼も『今そう思っていたところなんです』といい返事をくれた。





エーミールのいる図書館に鬱が入るとエーミールは自分の周りに蝶を羽ばたかせていた

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アイス! - ええ話やぁぁ、、、もしかして主さん神ですか!? (2020年10月12日 21時) (レス) id: 7b09c37ff3 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - サンプルさん» サンプル様コメントありがとうございます!最高の褒め言葉です! (2019年6月10日 0時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
サンプル - めちゃくちゃ泣けた(TωT)ウルウル (2019年6月9日 20時) (レス) id: 37598dd4c5 (このIDを非表示/違反報告)
根無し(プロフ) - 理香さん» 理香様コメントありがとうございます!完結です〜!番外編もどうぞお楽しみください! (2019年6月9日 18時) (レス) id: 7ed1204e38 (このIDを非表示/違反報告)
草が頭に生えてる人(プロフ) - 完結お疲れさまです!これから番外編も楽しく読ませていただきます! (2019年6月9日 14時) (レス) id: 63555da9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:根無し | 作成日時:2019年6月5日 23時

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