38 ページ40
・
『えっ、それでもいいのかって告白のつもりだったんですか!?』
「当たり前だろう。お前はもちろんだ、と頷いた。」
『いや頷きましたけど!そんなの分かるわけないですよ!』
私が作った鮭大根を食べながら、今までのすれ違いの原因を考える私たち。
なんとまぁ有り得ないくらいにお互いすれ違っていたわけで。
「そもそも俺は専属の隠が来ること自体知らなかった」
『えっ、そこから!?私の事をなんだと思ってたんです!?』
「………俺を好いているから良くしてくれているのかと」
『えぇ〜〜〜〜〜!?そんな事あります!?』
普通ならそんな勘違いしませんよ、と告げれば、ムッとした顔で黙々と鮭大根を口に運ぶ義勇さん。
義勇さんの言い分を整理してみれば。
まず、私が水柱邸に来たのは義勇さんを慕っていたからだと思っていた。
そこで義勇さんも私を想ってくれていたため、本当に俺でいいのかと念押しをしたら私が頷いたから恋人になったと思った、と。
いやいやいや、どう考えてもおかしいでしょうよ。
「お前が居なくなった時、俺は振られたのかと落ち込んだ」
『…………なんかごめんなさい…。』
「たまたま煉獄から専属隠の話を聞いて合点がいった。お前は仕事で俺の屋敷に来ていたんだと」
勝手な勘違いから恋人だと豪語したことで私に嫌われたと思った義勇さんは、私に冷たい態度を取った、とそういう顛末だったらしい。
「……お前に嫌いだと告げられるのが怖かった。だからもうお前に会いたくなかったんだ。」
そんなの、私だって。
『……私も義勇さんに拒絶されて傷つきました』
「………………すまない。」
しゅんとする義勇さんがなんだか可愛くてつい笑ってしまう。
「……笑うな」
『ごめんなさい、ふふふ。』
色々とすれ違って遠回りをしてしまったけれど。
「……お前が俺を選んだんだ。もう手加減はしないからな。」
『ええ!?なんの手加減ですか!?』
これからはきちんと言葉にしていこう。
『………ねぇ、義勇さん。』
「…なんだ」
2人ならきっと。
『………日生Aは、義勇さんをお慕いしております。』
「……………あぁ。俺も、お前を慕っている。」
どんな世界も、愛おしいと思えるはずだから。
fin.
389人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時