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包帯の下からは、力強い腕に似合わない大きな傷。




しのぶさんの言った通り、結構深い。




私を庇ったせいでついてしまった傷だ。



ごめんなさい。



そう思いながらそっと傷口に触れれば、びくっと揺れる肩。




『…痛い、ですか?』




「………痛くない。」




『そう、ですか……』




それからは黙って消毒をして包帯を新しく巻き付けていく。




『……庇ってくださってありがとうございました。怪我を負わせてしまってすみません。』




「……………仕事だ。謝罪も礼も要らない。」




『………そうですね。仕事、ですもんね。』




気まずい空気が2人を包む。




何か言わなければ、そう思うのに言葉が上手く出てこなくて。




ついに包帯を巻き終わってしまった。




もうここに居る理由はない。




帰れ、と言われるんだろうな。




そう思って義勇さんを見れば、深青色の湖底のような目がこちらを見ていて。




ゆっくりと、小さい唇が開かれる。




「……お前は何故あの時頷いた。」




『え?』




あの時、がどの時を指すのか分からなかった私は間抜けな返事を返してしまう。




「…………俺とお前は恋仲じゃなかった。なのに何故あの時お前は頷いた?」




あの時。




恋人だろう、と言われて頷いた時か。




「…俺が恥ずかしい勘違いをしていることが面白かったのか。」




『なっ!違っ……!!』




「なら何故だ!!」




怒鳴られた私は何も言えない。




どうして、どうして私はあの時頷いたんだろう。




義勇さんは繊細な人だから傷ついてしまうかもしれない、だなんて。




たったそれだけの理由で頷くわけが無い。




きっと私は、あの時既に。




この人に落ちていたんだ。




「………仕事は終わっただろう、もう帰れ。」




黙った私を一瞥するとまた冷たい声で言われる。




『違うんです、私はただ…』




「もういい!!もう、いい。……二度とここには来るな。」




誤解を解こうと口を開いた私を遮った義勇さんは、拒絶の言葉とともに私を外に追い出したのだった。


____________________
評価100票を超えて殿堂入りになりました……!
本当にありがとうございます、あともう少しお付き合い下さい!

他作品も是非!
【鬼滅の刃】鬼ですが、鬼殺隊に入隊します。

鬼の主人公が鬼殺隊で奮闘するお話。
原作沿いです!

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きよりん(プロフ) - わらび餅。さん» 飲み会(笑)いえいえ、指摘なんて失礼しました。 (2020年7月8日 10時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - 義勇大好きな女さん» わ〜!そんな風に言っていただけて嬉しいです!お読みいただきありがとうございます〜!! (2020年7月8日 6時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
義勇大好きな女 - 話終わったら、目から水が、、、!? (2020年7月7日 22時) (レス) id: 8ebef6a95a (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅。(プロフ) - きよりんさん» そうです、軟骨になってますね……笑ご指摘ありがとうございます、直しておきます……軟骨と包帯って今から飲み会でもやんのか?って感じですねすいません……笑 (2020年7月7日 5時) (レス) id: b794bc2212 (このIDを非表示/違反報告)
きよりん(プロフ) - 31話と32話に軟骨とありますが軟膏の事ですか? (2020年7月6日 23時) (レス) id: 599608a929 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅。 | 作成日時:2020年5月22日 11時

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